天井がすごく高い。私の知る限り世界で最も天井が高い焼鳥屋です。カウンターは10席ほどにテーブルと大きなお店ではないのですが、とても開放的な誂えです。
阿部友彦シェフは「キハチ」などイタリア料理店でそのキャリアをスタートさせますが、現在は人気焼鳥店の大将に。最近では白金高輪に2号店である「やきとり陽火(はるか)」をオープンさせました。
ワインが安い。ドラピエのカルトドールは確か7千円かそこらであり、小売価格にプラスαした程度ではないか。その他、手頃なワインが4千円台~取りそろえられており、やはり当店ではワインを楽しむのが吉。ビールや日本酒は普通の価格設定なのに割高に感じるほどです。
お通しのモズクに茶碗蒸し。卵の風味が濃密。
さびやき。カラっと表面を炙っただけで内側はレアレア。生肉原理主義者には堪らないスタートです。
ナンコツ。こりこりとした食感はもちろんのこと、脂がたっぷりで実にジューシー。
砂肝はサクサクとした歯触り。肉の濃度を楽しみます。
シイタケが旨い。丸々1個半の特大サイズであり、独特の香りとじゅわりとしたエキス分を楽しめました。
ハツ。この鶏は何か心臓の病気でも抱えていたのではないかと心配になるほどジューシー。ハツとは思えないほど柔らかで口当たりが良かった。
つくねは粗目に挽いており、ただのミンチよりも肉食ってる感が強い。
うずらの卵の内部は半熟を通り越して生であり、トロトロとした舌触りがたまりません。
新鮮なレバー。肝臓特有のクセは控えめであり、ヌルりとした食感に上品な鉄分。これには是非赤ワインを。
アツアツの白ナス。水分量が多くジュワジュワと肉からのお口直し的な位置づけでしょうか。
食道。一般的にガリガリと堅いことが多い部位ですが、当店のそれはたっぷりと脂を湛えホロホロと崩れる程に柔らかい。新手のホロホロ鳥である(違)。
ちょうちん。一般的な焼鳥屋のそれとは仕様がことなり、卵がダブルで肉(?)の部分は控えめ。私にとっては大好物ですが、これ系のクセというや戻り香が苦手な方は避けたほうが良いかもしれません。
オクラは思いきりの良い火入れであり、味わいに凝縮感があります。
手羽先は食べやすいように組み立てられているのが嬉しい。骨は1本だけついているのですが、その周囲の肉が旨いのだ。
ずりへた。砂肝に関連した部位でしょうか。先の砂肝よりもパワフルな印象です。
かわ。あまり好きな部位ではないのですが当店のこれは別格。脂のクドさは控えめでありむしろ甘味と旨味を強く感じます。
万願寺とうがらし。ほのかにピリピリとした辛味が感じられ、一連の焼鳥の中でのちょっとしたスパイスです。
そり。胴体とモモの付け根の部分であり、珍重されている部位。フランス人が大好き。ムチっとしたアタックながら咀嚼し始めると柔らかい。肉の味が濃く美味しかった。
フィニッシュはネギマシュラン。王道中の王道といった味わいであり、今夜も美味しゅうございました。
濃厚な鶏スープで胃袋を落ち着かせ、ごちそうさまでした。
お会計はひとりあたり8千円強と、覚悟よりも3~4千円安い印象。ビールもワインもそこそこ飲んでこの支払金額は正義です。その他の「鳥しき」系列よりも予約が取り易く駅からも近いので使い勝手抜群。オススメです。
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- 鳥政(とりまさ)/表参道 ←ランチの焼鳥丼が最高!
- 鳥竹 総本店/渋谷 ←何この費用対効果信じられない。
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- 焼き鳥 丈参(たけさん)/人形町 ←人気ですが店員の態度が最悪
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