店内は6席のカウンター席のみであり、ゴールデン街のような雰囲気。梅本明憲シェフは同じ高岳の「ヴィーニ デル ボッテゴン」系列の「バリック」でシェフとして活躍されたのち、当店を預かりました。ワンオペなのですが非常に手際が良いのが印象的。
酒は高め。生ビールこそ900円ですが、グラスのシャンパーニュなど2,000円~です。シャンパーニュがお好きなのか、幅広く取りそろえられていました。
前菜はトウモロコシのスープに焼きトウモロコシのアイスクリーム。おおー、これはめちゃんこ旨いですねえ。美味しいのはさておき、暑い夏の1口目にススっと冷製のコレを出すセンスがイケマシュラン。
ほんわかと温かい自家製パン旨い。しっとりと湿度を湛えながら、密度と弾力が激しい。噛めば噛むほど味がにじみ出るスルメ系であり、私のモロタイプです。
奄美の中トロと赤身、に焼きナス、ウニで組体操。オリーブのピクルスや大徳寺納豆のコクなど脇役の使い方がとても上手く、濃厚かつ酸味もしっかりという完成された1皿です。
細い細いパスタには紫蘇を用いたジェノベーゼ風に。たっぷりの白桃にガスパチョソース(スープ?)を注ぎます。美味しいのですが、ちょっとモモの量が多すぎ悪目立ちしていたかもしれません。ちなみに私はTwiceではモモ推しです。
アマダイの鱗焼きに金時草ならびにそのスープ。アマダイは大変美味しいのですが、金時草がピープスコーデを彷彿とさせる存在感のありすぎる色合いであり、ここは透き通った輝きのあるやや淡い黄金色がかったレモンイエロー、ほどの出汁で良かったような気がします。
メインは赤身肉にフォアグラのマリネ。ソースはネギ。付け合わせはアスパラ。フォアグラをマリネに留めて比較的サッパリ食べることができるのがいいですねえ。正直ロッシーニとか夏にはおもたんまるなので、この構成は個人的にツボでした。
〆の炭水化物はウニのクリームパスタ。「ベットラ」みたいにトマトで風味づけしているのかなあ、ウニ単体で攻めてこられるよりも幾分軽やかに感じられ、〆だというのに秒で食べきってしまいました。
デザートはなめらかかつ濃厚なプリンにヨーグルトとマンゴーのアイス。プリンは量もたっぷりで腹いっぱい食べれる幸せ。アイスはまさに出来立てといった味わいであり、およそ市販品では真似できない美味しさがあります。
ほうじ茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。控えめに飲んだのでお会計は1万円とベリーベリーリーズナボー。一番安い8,800円のコースだというのに大満足の質および量でちょっとした神現場です。6席というハコは同席したゲストに雰囲気を左右されるのが難点ですが、思い切って貸し切りで行ってしまいましょう。オススメです。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ センソ(Ristorante Senso)/白金台 ←どの皿も創意工夫に溢れており、それぞれがきちんと美味しい。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia)/広尾 ←すべてが期待以上、満足感しかありません。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。