店内はコの字型のカウンター席にテーブル席がいくつか。カウンター席にはアクリルボードが設置され、醤油のノリで消毒ジェルが配備されており意識が高い。ゲストも殆どが意識高い系のヘルシー女子です。
松崎洋平シェフは旅先のインドでカレーにのめり込み、新宿「curry草枕」で働きながら要町のカフェで当店を間借り営業。軌道に乗った2015年に表参道へ移転オープンです。
メニューは1,320円のカレープレートのみと潔い。付け合わせは5種の中からふたつを選択することができ、加えてライスの量は大中小いずれを選んでも同料金です。
「ゴールドラッシュのダル」はカレーというよりもスープに近い。穀物の甘さがとても強いので、ゴハンと合わせて食べるというよりは、これ単体で前菜のように楽しめました。
「ルッコラとチキンキーマカレー」は素朴で優しい味覚なのですが、随所でスパイスがビビビと主張し自然と汗がにじみ出てきます。
「紅しぐれのココナツグレービー」は大根がココナツ風味という私的に斬新な組み合わせであり、自宅では到底真似できない独特の味覚に感じました。
「紅芯大根の東南アジア風スパイス炒め」はひよこ豆と共に東南アジア風のスパイシーな調味です。
こちらはアチャール?ピクルス?大根と甘酸っぱい調味が初恋を想起させます。
ライスは大を選択したのですが300グラムと非常に多い。加えてダルが思いのほか優しい味付けだったのでライスの消費には寄与せず、なんかすっげえ米食ったなあという印象です。
いずれにせよ、この量と質、立地を考えると税込1,320円はリーズナブルでしょう。あまりカレーカレーしておらず、どことなく和のニュアンスも感じさせる野菜主体の創作スパイス料理屋と呼ぶべきかもしれません。脂のコクと激辛スパイスでガンガン攻めるカレー屋とは全く異なる、不思議と家庭的な味わいの料理でした。
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カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。
- 酒肆ガランス/白金高輪 ←本格派。カレー屋は当店に修行しに来るように。
- ラ・ファソン古賀/代々木上原 ←予約必須。欧風カレーの最高峰。
- コチンニヴァース/西新宿五丁目 ←「なぜここに?」と住宅街に突如現れる本格派。
- SPICY CURRY 魯珈(ろか)/大久保 ←朝の7時から並ぶ必要のあるカレー。
- ケンゾーエステイトワイナリー /六本木 ←野菜が溶け込み甘さを感じる一方で、きちんとスパイスが立っている本格派。
- 香妃園/六本木 ←六本木で遊ぶのに知らないのはモグり。
- ホットスプーン(Hot Spoon)/五反田 ←カレーというより牛肉料理。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania)/目黒 ←これ以上の住宅街は無いというほどの住宅街にある名店。
- 東洋軒/赤坂見附 ←和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆るブラックカレー。
- カレー&オリエンタルバル 桃の実/水道橋 ←マトンカレーが実に奥行きのある味わい。
- ボンディ(Bondy)/神保町 ←アタックとしては甘味。続いて穏やかな辛味が到来するという仕様。
- スープカレー屋 鴻(オードリー)/神保町 ←豚骨の旨味がクセになるカレー。
- エチオピア/神保町 ←ルーが絶品。豆サラダと野菜が上々。
- ディラン/新お茶の水 ←意外にも家庭的でゆるふわな味わい。
- スパイスボックス(Spice Box)/神田 ←日本人の口に合う本格派。ボリュームが心底満点。
- 印度料理シタール/検見川 ←千葉の僻地で大行列の超有名カレー屋。
カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!