TRUNK KITCHEN(トランク キッチン)/明治神宮前

ウェディング業界の大手「テイクアンドギヴ・ニーズ」がホテル事業に進出。アメリカの「エースホテル(Ace Hotel)」にインスパイアされたブティックホテル「TRUNK」を2017年に開業。渋谷と原宿の中間あたりキャットストリート脇です(写真は公式ウェブサイトより)。
レストランの予約時間より少し前に到着すると、開店時間まではラウンジで待つことに。このラウンジがとてもカッコよく、客も店員も皆おしゃれでヒロユキマチダ感に溢れており、ゲストと従業員の判別が難しい。京都の「LURRA°(ルーラ)」にいそうな客層。みんなクラフト何とか片手にマックを開いています。
なんでも「TRUNK」は、新しい社会貢献のスタイル「ソーシャライジング」の発信拠点であり、「ソーシャライジング」とは「自分らしく無理せず等身大で社会的な目的を持って生活すること」らしいですが、ちょっと何言ってるか分からない。
さて今夜はテラス席でタコスパーティ。夏だけ特別にタコス食べ放題アルコール飲み放題のプランを開催しており、銀のスプーンを口にくわえて生まれてきたアメリカ帰りのテックスメックス娘を誘ってタコスパーティです。
私はオシャレに「ステラ アルトワ(Stella Artois)」をオーダー。 ベルギーのピルスナーであり飲み放題のラインナップとしては珍しいのですが、彼女は真っ先に、しかも真顔で「コロナ」と注文しました。これは笑うべきポイントだったのかなあ。脇の小さいグラスは生姜風味たっぷりの食欲増進ドリンクです。
お通し(?)としてトマトサルサにトルティーヤチップス。チップスは揚げたてのアツアツでキツネ色。「ライナーノーツとしては悪くないわね」とはタコス評論家の談である。
冷たいコーンスープ。悪くないのですが、クノールと大差あるかと言われれば返答に窮します。
お待ちねかね、タコスの登場です。左はたっぷりのシラス。潮の風味が心地よく、気前の良いシラスピザを食べているかのような感覚。右は牛肉にワカモレなどですが、ポビドンンヨードのような色合いの肉の質が悪く美味しくなかった。
左はケイジャンチキン。暴力的な調味にフライドオニオンの特長的な味覚が素直に美味しい。右は焼いた豚肉にチリコンカン・チェダーチーズ。牛肉と同様に質はちょっとアレですが、チェダーチーズが全てをマスキングしてくれました。チーズとは正義である。
チリシュリンプにテリヤキポーク。前者はエビマシュランとして大いに期待したのですが、回転寿司の甘海老ほどのサイズ感であり海老の風味に乏しい。後者はマヨネーズソース(?)がべったりのパワー系な味付けでジャンクです。
店員が「裏メニューがある」と声を潜めながら持ってきたものはカレー風味のカボチャ味。悪くはないのですが、私はランチに表参道「ハブモアカレー(have more curry)」でナイスなカレーを食べて来たばかりなので、どうしても比べてしまいました。
ふたりの一致した見解としてシラスとケイジャンチキンが美味であり、あとは繰り返しこればかりを食べていたような気がします。
レモンシャーベットで〆てごちそうさまでした。
料理だけを見れば味わいは中くらいですが、話題のブティックホテルのテラス席で飲み放題食べ放題が5千円かそこらということを考えれば悪くないディールでしょう(写真は公式ウェブサイトより)。スタッフは総じてスタイリッシュで感じが良く、つい飲みにでも誘ってしまいたくなるような距離感。SDGsとか言い出しそうなグレタ的ヒューマニティーと一緒にどうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。