湯島天神下 すし初/湯島

3~4カ月ぶりのすし初。従業員はマスク着用、入店時にはアルコール消毒必須と、すっかり新しい生活様式が馴染んでいます。ゲストの数も絞られており、お店には申し訳ないですが、客としては非常に居心地が良い。
生ビールと枝豆で試合開始。そのへんの枝豆とは質が異なり、ザクっと歯ごたえを感じる質感です。緑の味も濃く、今夜も素敵に過ごせそうです。
イナダ・アジ・甘海老のマリネ。夏らしくサッパリとした調味であり、スッキリ系の日本酒がグイグイと進みます。
お刺身はもちろん醤油で食べても良いのですが、ここはひとつ山椒塩でやはりサッパリと。カスゴダイとはこういう局面で実によく光る素材である。
2020SSの新作、レモンをくり抜き、ウニ・カニなどで調味したリゾット(?)のようなものが詰め込まれています。炭水化物であるはずなのにスカっと食べれる乙な味。
アナゴ。「あたしアナゴが一番好き」と目を輝かせる小松菜奈似の連れ。「たまに言われるなあ、似てるって。2年ぶり3回目ぐらい。紅白みたいでしょ?」彼女はワインエキスパート、かつ、酒と名の付くものであれば何でも、しかもかなり飲めるタイプなので、今夜は安心です(何が)。
シイタケを敷いた飯蒸し。粒の小さいイクラは食感が強く、酒と共に味わいにうってつけの存在です。
カツオをユッケ風に。鉄分を感じる力強い魚に濃いめのタレ、とろりとした温泉卵。これはもう、誰が食べても大好きな一皿です。
鮎の焼きびたし。この季節の和食店はどこもかしこも鮎の塩焼き一辺倒なので正直飽き飽きしてるのですが、その点コチラはしっかりと調味を加えたものであり、グイグイと日本酒が進みました。
ここでイワシも丸々一匹登場するのですが、お酒で随分とゴキゲンになっていたようで、写真を撮り忘れてしまいました。こんなこと、年に1度あるかないかの凡ミスです。それだけ楽しかったという意味でしょう。
にぎりに入ります。茹で上げられたばかりの海老はほんのりと温かく、甘い。
アジ。筋肉質な個体で味が強く、愛想の良い味わいです。
これはイナダだっけなあ。やはり結構楽しくなっちゃっていたようで、記憶が曖昧です。
シャケにはイクラを乗せて親子丼。脂が強く食べ応えのある味覚です。
パスタフィラータタイプのチーズに焼き目を付け、海苔と共に頂きます。反則である。だがしかし旨いものは旨い。大将はチーズの仕入れ先につき思案を巡らせていたので、ここはひとつチープロの私が鎌倉の「ラッテリア ベベ カマクラ(Latteria BeBe Kamakura)」を推薦しておきました。
アサリの粒々をギュギュっと軍艦に。珍しいタイプの鮨ですが、味が濃く噛み応えもあり、酒飲みには堪らない場面です。
〆はアナゴ。「やっぱアナゴ好きだなあ。今日は誘ってくれてありがとね。衝動的にお鮨が食べたくなって、もう独りで行ってしまおうって検索してた時のお誘いだったから、嬉しくってさ」彼女は静かで真っすぐな目を向ける。畢竟、男女の関係とはタイミングである。
デザートには「二世古 雪花」。クリーミーで濃厚なチーズにドライフルーツをまぶした、その筋では大変に有名な逸品です。チーズケーキのように緻密な味わいに、シュっと日本酒を差し込んでくるあたりにセンスを感じました。
この日も4時間ぶっ通しで飲み続けました。序盤はなるほど、とか言って分析的に飲んでいる風を装っていましたが、中盤~終盤にかけてはもうヘロヘロヘロイン状態。まさに懐が痛いのは最初の一杯だけであった。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。