店内はテーブル席主体。窓が大きく開けられ外気の取り込みが心地よいです。ランチは前菜とメインからそれぞれ1つづつ選択のプリフィックススタイル。
前菜にはえんどう豆のスープをチョイス。キンキンに冷やされており暑い夏にぴったりの逸品。量もたっぷりあって飲みごたえがありました。
バゲットは普通のバゲットであり、そのへんのスーパーで売られているものと大差ありません。また、素手で触るのはアレなので事前にお手洗いをお借りしていたのですが、トイレのすぐ脇に作り置きの肉塊が山ほど積まれており食欲がかなり削がれました。
スペシャリテのローストビーフ。テレビなどで紹介され人気商品となったようですが、これが全然美味しくない。筋と脂ばかりの低質な肉であり、注文が入れば冷え切った作り置きに生暖かいソースを流し込むだけなのか、1皿の上に狙っていない2温度帯が存在して気持ちが悪かった。つい昨日に恵比寿「ロウリーズ・ザ・プライムリブ(Lawry’s The Prime Rib)」でプライムリブを食べたばかりというのもあって逆感動もひとしおです。
デザートはバナナのケーキだったっけなあ。スイーツも出せばいいんでしょとでも言うべき雑な物体であり全く美味しくなかった。つまりどの料理も作り置きを盛り付けるだけであり、店員が取り分けてくれるビュッフェといった印象です。そういう意味ではテイクアウトには強いかもしれん。でもなあ、これなら十番「ナニワヤ」でローストビーフを千円分買いたいなあ。
食後のアイスティーが付きました。都心でこれだけの量を出して1,100円というのは悪くない価格設定のようにも思えますが、どうにも料理ひいては外食文化に対する愛情が感じられず、全てがやっつけ仕事のように見えました。連れには「千円かそこらのランチに多くを求めすぎだよ」と呆れられましたが、例えば渋谷「サンジャン・ピエドポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)」や恵比寿「スブリデオ レストラーレ(Subrideo Restaurare)」は似たような価格帯でしっかりしたフランス料理を作っている。そういう高い職業意識のあるお店を私はたくさん知っている。
マスクの寄付だのコロナ対策だの喧伝している一方で、ランチはカードが使えず素手で現金をやり取りするなど矛盾点も多い。そもそも「ランチのみカードNG」といったルールはカード会社の規約違反ではないか。ディナーでお邪魔する前にランチに来ることができて本当に良かったと愁眉を開いた昼食でした。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- メシモ(MECIMO)/小田原 ←重厚長大なレストランの裏をかく魅力的な設計
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- マノワール・ディノ(Manoir d'inno)/表参道 ←料理は直球勝負。ワインは高くない。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。