ロテル デュ ラク(L'Hotel du Lac)/湖北(滋賀)

琵琶湖国定公園の中に位置する15室のみの「ロテル デュ ラク(L'Hotel du Lac)」。敷地面積4万坪でありとにかく広大な芝生が自慢。
山の斜面に面して建物があるので、上階のフロントでスリッパに履き替えてから階段でロビーに降りていくといった仕組みです。スモールラグジュアリーながら高い吹き抜けと大きな窓が象徴的。土足厳禁ってのは清潔で良いですね。
ライブラリースペースの大きなソファでチェックイン。この空間と手前のラウンジスペースがシームレスに繋がっており、ラウンジで手にした飲み物を手にライブラリースペースにも来れるし、何なら外のテラスにも出ることができます。
シャンパーニュを用いたウェルカムカクテルを味わいながらチェックイン手続き。久しぶりに運転から解放されたので軽く一気飲みなのですが、スタッフの方が気にかけてくれ2杯目もお持ちいただけました。
ちなみにこちらがお隣のラウンジスペース。これまではクラブラウンジのように酒を始めとした飲み物を自由に楽しめたそうなのですが、アフターコロナの現在はオーダー制へと変更です。
部屋に入ります。当館で最も広い「ラグジュアリースイート」であり、そのサイズは80平米。窓から芝生やプール、琵琶湖を望むことができるのですが、虫害防止のため窓を開けることはできません。
また、電子機器の設備がショボいのがムッシュハイテクとして名高い私としてはテンサゲポイントです。そもそも電源が少なくUSBの口すらなく、音響設備はCDコンポです。若い世代は「CDって何?」の領域に達しつつあるというのにこの前時代感はやばみです。
バーコーナー。ライティングデスクは無いのにバーコーナーがあるというセンスはどうなのでしょう。あるいは立ちでパソコン作業を行うスタンディング形式で、一周まわって今風に評価するべきか。
冷蔵庫の飲み物は全て無料ですが、すぐそこにフリーのラウンジがあるため、まあ、あるなという設備です。コーヒーやお茶も含めてもちろん込み料金です。
寝室。広く居心地も良いのですが、ベッドサイドに電源類はなく、地べた近くに掃除機用の口があるだけです。クローゼットの扉もガタガタするし、やっぱ色々古いなあ。
バスルームもやはり年寄り臭く雑然とした印象を受けます。アメニティはフェラガモで統一。フェラガモってバスアメニティ出していたのですね。知らんかった。
散歩に出ます。当館の美点はやはりこの眺望でしょう。高台から望むレイクビューに青々とした芝生。思わずヘッドスライディングしたくなる手入れの行き届いた芝です。
プールの営業開始は7月からでした。サイズはそれほど大きくないのでガチ泳ぎというよりは子供がぱちゃぱちゃと水遊びする用途です。
我々は本館に滞在していますが、ヴィラタイプの部屋も用意されており、家族連れのゲストはこちらに泊まっている方が多かったように見えました。部屋によってはイッヌもOKであり、なるほどカップルでの利用よりも家族連れが楽しい宿なのだとようやくここで気が付きました。
日が暮れたのでレストランへ。当館のダイニング「ル・ペイザージュ(Le Paysage)」はグルメガイド「ゴ・エ・ミヨ ジャポン2020」に掲載され高得点を獲得しています。山本卓也シェフは「京都ホテルオークラ」「ハイアットリージェンシー箱根」「星野リゾート」などを経て当館へ。「テロワール発酵フレンチ」を標榜し、滋賀だけでなくその周囲の府県を加え、点ではなく面で食材を捉えているそうです。詳細は別記事にて
食後は部屋の風呂にゆっくりつかろう、と思い水道を捻ると出て来たのは泥水。フロントに確認するとたまにあることらしいので(なら修理しておけよ)、仕方なく上階の貸切家族温泉へ。
その予約制の貸切風呂がめちゃくちゃショボい。この価格帯であれば賢島「ひらまつ」級のものを期待していただけに、個人宅の自慢の風呂程度のレベルなので、先の泥水と共に水回りについてはガッカリした記憶しかありません。
朝食はオーダーブッフェスタイル。ゆうべの夕食の時点である程度食べたいものを事前に知らせておき、当日足りなければ追加で注文できるという仕組みです。飲み物にシャンパーニュも含まれていたのですが、このあと運転があるため泣く泣くパス。また、メニュー表がスペルミスだらけで色々心配になる。
スープにマリネにシャルキュトリ。ベーコン、ソーセージ、ハムは地元伊吹ファームのものらしく美味。
近江牛のミニステーキ丼は連れとシェア。これは王道の味わいであり、ドライブインであれば2千円超えで出せるクオリティです。
〆にオリジナル朝カレー。バームクーヘン豚という、これまた地元の豚肉を用いたカツレツが美味しかった。それにしても茶色い食べ物ばっかし食べてもうたな。
ということで、ぱっと見はスモールラグジュアリーと言えなくもないのですが、色々と詰めが甘く感じた滞在でした。いちいち細かい客だと思われるかもしれませんが、似たような支払金額で完璧にこなしているホテルが殆どなので、誤字脱字だらけの新聞を読んだかのようにどうしても気になってしまうのです。大意は掴めるからといって後は適当で良いというわけでは決してない。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。