ちなみに食べログは4.04でブロンズメダル獲得、百名店にも選出されている人気店(2020年7月)。今回は予約してお邪魔しましたが、タイミングさえ合えばフリーでの入店もOK。13時以降の1人で訪れるのが狙い目です。
長いカウンター席にテーブルが1つという小さな店内。厨房の中では料理人の皆さんが手際よくオーダーを捌いています。藤井長次シェフは老いてなお矍鑠としており、ゲストと歓談もすれば肉も焼くといった活躍ぶりです。
アラカルト注文もOKですが、せっかくなのでランチコースを注文。3,300円です。前菜の盛り合わせは左からサーモンを忍ばせた野菜のテリーヌに稚鮎を揚げたもの、たっぷりのコンソメジュレの中にはフラン(?)でしょうか。正統的な味わいで素直に美味しい。
ジャガイモの冷製スープ。オーソドックスな仕様であり、まっすぐな美味しさです。量もたっぷり。
サラダはイマイチ。ホワイトアスパラガスの湯で加減が頂点を過ぎておりグニャグニャです。キャベツも悪くはないのですが、とんかつ屋の付け合わせ感があり、サラダとして1品というにはちょっとアレでした。
注文後に揚げ始める鶏のから揚げ。奇をてらわず直球勝負な味わいであり、母親の手料理を思い出します。
メインはビーフステーキ。ソースがてりやきマックバーガーのソースに似ており郷愁を誘います。価格を考えれば肉はかなり上質。スっと上品に歯が差し込んでいく食感がたまりません。付け合わせのタマネギスライスも含め、なんともノスタルジックな1皿でした。
ライスは洋食屋らしく平皿に盛られてやってきます。これはまあ、普通のクオリティ。
デザートは固めのプリン。やはり家庭でのプリンづくりを惹起させる優しい味わいであり、ほっとする味覚です。
紅茶で〆てごちそうさまでした。
3,300円という価格を考えれば質・量ともに大変満足のいくランチコースでした。究極の普通ともいうべき毎日通い詰めたいベーシックな味わい。食べログにおける評価はちょっと高杉ではありますが、お値段以上の価値は確実に存在する佳店。近くに用事がある際は、フラっと立ち寄ってみましょう。
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