その4階で営業するのが「COTEAU.(コトー)」。今をときめく「SUGALABO」の須賀洋介シェフが監修ということで話題となりました。それでいてコース料金は6,900円とお値段控えめ。ブランド力や内装の豪華さを考えれば破格の値付けと言って良いでしょう。ちなみに店名はフランス語で「丘」の意味です。
ワインペアリングは4杯で5,500円と一見リーズナブルですが、ネット上の口コミで「量が少ない」と悪評が高かったので、我々はボトルで注文。ワインリストを見る限り、それほど悪い値付けではない、どころかモノによってはかなりお手頃に提供されています。
泡と共にグジェールを楽しむ。グジェール(gougère)とはチーズを混ぜた風味の良いシュー皮。最初のオツマミとして最適。
まずは緑のガスパチョ。シャインマスカットで奄美を加えているのが面白い。牡蠣は厚岸産とのことですが、産地を感じさせるほどの迫力はありません。
パンはバターが強くソフトなタッチで美味しい。
続いてイワシ。脂と旨味が強いところにギュっと火を入れて美味しいのですが、冷静に接すればそのへんのビストロの料理と大差ありません。まあ、値段が値段なだけに、このあたりが価格設定の限界なのでしょう。
メインは山形の黒毛和牛!とかなり期待させられたのですが、ペラッペラの薄切り肉がちょろっとあるだけで貧乏くさい。妙にフレッシュな野菜やサルサソースなど、和牛のテイストに合うのか甚だ疑問なひと皿でした。
デザートはミルフィーユにサクランボのソースならびに実。お、これは美味しいですねえ。サクサクと軽い生地に上品な味わいのクリーム、サクランボのパンチ力。本日一番のお皿でした。
小菓子にハーブティーで〆てごちそうさまでした。
水やら税サやらなんやらでお会計はひとりあたり1.5万円弱。空間の豪華さを考えれば控えめな価格設定ではありますが、料理(というか素材)がそれに全く追いついていません。この予算でこの空間に相応しい料理を作るのはムリゲー。業務スーパーの駐車場にフェラーリが停まっているような違和感。お店として目指しているところがよくわからない。雇われた料理人のジレンマがひしひしと伝わりました。
テイストとしては表参道「ラス(L'AS)」に似てるかなあ。屋根の高いラス。おしゃべり目的の女子会でどうぞ。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- メシモ(MECIMO)/小田原 ←重厚長大なレストランの裏をかく魅力的な設計
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- マノワール・ディノ(Manoir d'inno)/表参道 ←料理は直球勝負。ワインは高くない。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。