恵比寿時代に比べると、お店の雰囲気がグっと良くなりました。開放感と温かみがあり、席数を絞っており、なんとも居心地の良い空間です。カウンター席やテーブル席の他、お店の奥には個室もあるとのこと。
店構えに比してボトルワインの価格は控えめであり、また、ペアリングのような仕組みもあって消費者にとっては親しみやすい。夏なので我々はスカっと泡1本戦略です。
スペシャリテのカプレーゼ。トマトのジュレにモッツァレッラチーズのムースを配備しており、カプレーゼの再構築といったところでしょう。爽やかなバジルの風味も心地よく、真夏の夜の夢のはじまりにピッタリです。
おつまみにグリッシーニ的なもの。単なる小麦粉というわけではなく、海老の風味をきかせていたり、ラルド(豚の脂の塩漬け)をトッピングしていたりと、酒飲みには堪らない味覚です。
ジャガイモを練り込んだフォカッチャ。素朴な味わいですが、全体を通してソース多めな芸風なので、これぐらいのシンプルさでちょうど良い。
イサキの昆布締め。佐々木泰広シェフは大分県の出身であり、地元のズッ友から豊後水道の幸が直送されてくるとのこと。新鮮で筋肉質な食感にケチケチしない量。見た目も美しく、およそ前菜として頂点の域に達していました。
生ハムメロンは半液状のメロンに生ハムをクリーム化(?)したもの。味は悪くないのですが、先のカプレーゼと似たような芸であり印象も半減です。
アナゴのフリット。おおー、これは美味しいですねえ。独大サイズのアナゴを大胆に揚げ、たっぷりのナスと共に頂きます。カリっとした衣に優しい食感のアナゴ、ジューシーなナス。サマートリュフも嫌味の無い味わいであり、心に残った1皿でした。
パスタはピチ。小麦粉と水だけから作られる、丸くこねた太麺パスタです。讃岐うどんのようにコシがあり食べ応え抜群。ソースはタコのラグーであり、強い旨味に磯の香りが爆発。燻製されたチーズも全体を上手くクリーミーに取りまとめており、本日一番のお皿でした。
メインは京都中勢以の熟成豚。男らしく炭火でガリっと炙っています。熟成の凝縮感に炭火焼きのハンドパワーが加わり、甘い脂と旨い肉がOCです。量もたっぷりあって満腹に。小食な女子では食べ切れないほどでしょう。
デザートはパンナコッタにヨーグルトのアイス(?)だったっけな。品の良いパンナコッタの甘味にヨーグルトの酸味が心地よい。クランブルの食感アクセントも食べ飽きしません。
お茶菓子とハーブティーで〆。ごちそうさまでした。
お会計はひとりあたり1.5万円とリーズナブル。イタリア料理としてはかなりモダンな外観ですが、イサキやアナゴ、タコ、豚肉と、いま何を食べているのかハッキリと伝わる骨太な味覚でもあり、どの料理も素直に美味しい。ヘンに高級食材に頼らないのもグッド。デートに最適。オススメです。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- ALTRO!(アルトロ) ←十番カラペティ・バトゥバ!の姉妹店。居心地最高。
- アリゴトゥール(Aligoteur Que du bonheur) ←美味しいを突き詰める旨いもの屋。
- 鍈輝(えいき) ←コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。
- KINOE(キノエ) ←食事が割安。自由度も高い。
- ブラチェリア デリツィオーゾ イタリア(BRACERIA DELIZIOSO ITALIA) ←ランチの信じがたい費用対効果。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- スブリデオ レストラーレ ←チーズ好きのカーバ神殿。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- ビストロアム ←フレンチの出オチ最強選手。
- ユーゴ・デノワイエ ←3,000円切るランチでこのレベルなら大満足。
- レストラン間 ←日本で最もカリテプリに優れたお店なんじゃないか。
- ビストロエビス ←うちの娘もああいうふうに育つと良いんだけれど。
- チャイニーズダイニング方哉(まさや) ←ランチの千円担々麺が絶品
- えびすの安兵衛 ←超行列店。高知名物「屋台餃子」を恵比寿の地で!