ハコそのものは2020年の早い段階で完成していたのですが、コロコロコロナさんの影響で開業が遅れに遅れ、2020年6月にソフトオープン、グランドオープンの日程は未だ発表されていません。
烏丸御池駅5番出口直結の「新風館」という複合施設に入居。格子状に組まれた木やスチールパイプの先から落ちる光など、シャレオッティな吹き抜け空間が広がります。レセプションは妙にコスモポリタンで、制服は無く従業員めいめいが自由な着こなしでサービスに従事しているため、誰がスタッフで誰がゲストなのかがわからない。そのへんのアンちゃんと思ってた人から突然話しかけられてビビります。
エースホテルはクリエイションにコミットしつつライフスタイルにバッファを持たせたサステナブルなワークライフバランスをシェアするというジャストアイディアにコンセンサスのあるチャレンジングなダイバーシティ集団が、新たなベネフィットをローンチするために1999年にシアトルで創業されました。つまり「LURRA°(ルーラ)」同様ヒロユキ・マチダ多めです。
正面玄関脇にはこれまた日本初進出のポートランド発コーヒーショップ「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ(STUMPTOWN COFFEE ROASTERS )」。ここでコーヒーを買ってホテルのロビーでノマド的にPC作業することをエースホテルは容認しています。
宿泊客である私にとっては、関係のない奴らにロビーをウロウロされるカルチャーにアグリーできかねるのですが、まあ、ホテルがそういう方針なのだから仕方がありません。ちなみに全員がマックを用いておりwindows派は文化的にジェノサイドされているのでお気をつけて。
チェックイン時間よりもかなり早くに到着したのですが、部屋の準備ができているとのことで、快く通して頂けました。ドアの入り口に未開封のシールが貼られており、なるほどこれは上手くできた仕組みです。
お部屋に入ってすぐの写真。今回はスモーレストなルームをリザーブしたのですが、それでも30平米以上はあり、全体としてかなりゆとりのある設計です。
内装は他都市のエースホテルと同様にLAのデザイン集団「コミューン・デザイン」が担当。紛うことなきホテルの1室なのですが、どこか普通じゃない感が伝わってきます。
部屋の至る所にちょっとした「あったらいいな」、例えばちょっとモノをひっかける部分とか、電源とかUSBとか棚とかポケットとか段差などがあり、機能的な印象を持ちました。
音を大切にするエースホテル。部屋の片隅にはレコードプレイヤーとレコードが置かれています。ラジオはチボリのものであり、きちんとBluetooth機能も備え付けています。
ライティングデスクも独立して備え付けられており使い勝手良し。お水は人数分は無料であり、足りなければミニバーの有料のものを利用するといったルールです。
バスルームはそれほど広くは無く必要最低限といった印象です。
アメニティは日本のトータルビューティーカンパニー「uka(ウカ)」が担います。エースホテルのためだけに開発された商品であり、「ホテルというオケージョンに合わせて、性別、年齢、人種に幅広く対応できるオリジナルフォーミュラ」と公式ウェブサイトに記載されていました。令和のルー大柴である。
トイレはバスルームから独立しています。トイレットペーパーのクルクルが縦型なのは斬新であり、これが意外と使いやすい。横型は芯の取り換えが面倒なので、これもっと流行らせたい。
館内散策。未だソフトオープン中であり、営業している施設は限られています。例えばジムはコロナの影響もあって利用はNG。グランドオープン時には宴会場やメインダイニングもオープンするそうで、結婚披露宴とかもできるようになるのかしら。
朝食は指定のイタリアンダイニング「ミスター・モーリスズ・イタリアン(Mr. Maurice’s Italian)」へ。建物内にある席とテラス席があり、後者が圧倒的に人気。従業員も客層も独特でメガネ丸め。ファッショナブルなのは良いのですが、やはり店員がユニフォームでなく普通の服装だと店員なのか従業員なのかわからず普通に困る。
朝食はセットメニューが3千円。プレートにフルーツとジュースとコーヒーがついて、話題のホテルでこの価格設定は悪くありません。味わいも高級ホテルのそれであり、雰囲気含め意外にリーズナブルに感じました。オシャレな朝食にどうぞ。穴場です。
総括。かなり斜に構えた態度で宿泊したのですが、思いのほか、いやかなり良いホテルでした。ロビーなどの共用設備に出ればスタッフなのかノマドなのかジーニアスなのか判別できかねる民にいちいち声をかけられるので、根暗な私としては居心地の悪い部分はありますが、部屋にひきこもっている分には実に機能的で過ごしやすいホテルです。何より立地がいい。
今回は開業記念特別価格(?)で1泊朝食付で1部屋4万円ほどでしたが、これがグランドオープンするといくらになるのかが論点でしょう。まあまあ高級な割に高級感は無く、アメリカの100ドル台~泊まることのできるエースホテルと比べるとどう思われるのか。議論の分かれるホテルとなりそうです。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。