ファイヤーホール4000/五反田

ムッシュ陳建一の右腕として30年近く「szechwan restaurant陳」グループを支えた菰田欣也シェフが独立。意外にも業態はカジュアルな火鍋店。何も知らない人が通りがかれば、地の利も合って胡散臭い店にしかみえません。
運良く個室に通して頂けました。菰田欣也シェフは「赤坂四川飯店」に入社後、渋谷「スーツァン・レストラン陳」の料理長ひいてはグループ全体を統べることとなり、TV番組やイベントにも多数出演。調理学校や料理教室の講師など、今や日本における四川料理の重鎮です。
6,500円のコースに2,000円の飲み放題を追加。このラインは絶妙で、女の子などは飲み放題負けしてしまうかもしれません。飲み放題研究科としては良いケースとなる価格設定です。
お通し(?)のよだれ鶏。悪くはないのですが、どうにもプレゼンテーションが置きっぱなし系であるため、ファミレス感が拭えません。この時点でフラッグシップである「4000 Chinese Restaurant」とはまるで違う方向性なんだなと得心しました。
火鍋のスープは2種。左は手作りの豆板醤を使用した甘辛麻辣スープ、右は生薬を配合したバクテー的な薬膳スープ。左の赤くて辛いスープのほうが5倍ぐらい美味しかったので、結局赤いスープしか使いませんでした。
具材はイチオシの海鮮と豚肉のダブル盛りにしたのですが、この海鮮が不味くはありませんが美味しくもないテイストであり、ありゃりゃ「4000 Chinese Restaurant」におけるシーフードの美味しさは何やったんやとガッカリ。
他方、豚肉はめちゃんこ旨い。群馬県産の「プレミアム加藤ポーク」というものらしく、冷凍することないフレッシュな味わい。しっとりとした食感に濃い肉の味わい。ホルモンも美味しいですが、やはり正肉が驚くほどの美味しさです。
お野菜もまあ美味しいのですが、先の豚肉と比べれば陰に隠れてしまいました。
その他、肉団子や
春雨、湯葉なども続きましたが豚肉の印象には及びません。
杏仁豆腐とゴマ団子で〆てごちそうさまでした。

食べ物そのものの量はそれほどでもないのですが、赤いスープが旨すぎるのでひたすら飲み続けることとなり、結果として満腹にはなります。ただ、お会計がひとり1万円近くするのはちょっと高いなあ。接客は微妙だし。同じ価格帯であれば「火鍋 三田」のほうが精神に訴えかけてくるものがありました。ランチは千円かそこらでやってるようなので、そちらのほうが楽しめるかもしれません。夜に来るならひたすら豚肉を食べること。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。