店内にはメインダイニングの他、シェフズテーブルや個室もあり様々な使い方ができるでしょう(写真はヒトサラ公式ページより)。夜はシックでスタイリッシュ、ランチはガラス窓から光が差し込み清潔で美しく健やかな雰囲気です。
ワインはイタリア中心。アラカルトはもちろんペアリングもあって6千円程度とリーズナブル。小川慎二シェフはイタリアの2ツ星「リストランテ・サンドメニコ」で5年を過ごし、うち2年間をスーシェフとして活躍。かといって鼻持ちならない嫌な野郎ということは全くなく、オーナー含め皆ゆるふわ系の感じの良い民であり居心地がとても良い。
名刺代わりに出される前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!阿保なインスタグラマーなら濡れてしまうレベルの美しさです。
メニューにはお料理ひとつひとつについての説明が記載されています。それぞれが絶妙な酒のツマミであり、のんびり飲み食いすればこれだけで1時間は楽しめてしまいます。
パスタは天龍鮎を用いたもの。トップに置かれた若鮎コンフィの旨味とビターな肝のソースの風味が大人の味わい。木の芽の香りも格好良く、和の空気を感じさせる1皿です。
自家製のパン。小麦を感じさせる深みがあり、そのへんの手抜きフォカッチャとは一線を画す味わい。
「くちどけ加藤ポーク」のオーブン焼き。脂の融点が低い豚肉だそうで、なるほどしっかりと肉汁は保ちつつもサラサラとした口当たり。ニンジンもサッパリとした味覚で軽やかにフィニッシュです。
他のテーブルに供される料理があまりに旨そうだったので追加注文。短角牛と幸福豚を用いたボロネーゼであり、スペシャリテです。2種類の肉由来の複雑な旨味や脂の濃さ、ならびに皿全体を覆い尽くすフレッシュなマッシュルームとパルミジャーノ・レッジャーノが弾ける美味しさ。〆の糖質のつもりがワインがグイグイ進むパスタでした。
今度こそ〆の糖質。パンと同様、素朴ながら深みを感じるパウンドケーキで〆。ごちそうさまでした。
短めのコース料理にペアリングをつけ、パスタを追加してひとりあたり1.8万円ほど。かなりしっかり飲み食いできたことを考えれば実にリーズナブルです。ニッチな場所に立地するため、ヘンな客がいないのもすごくいい。デートに接待に食事会にとかなり使えるお店でした。次回は高いコースでシェフのフルパワーを楽しもうっと。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ センソ(Ristorante Senso)/白金台 ←どの皿も創意工夫に溢れており、それぞれがきちんと美味しい。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia)/広尾 ←すべてが期待以上、満足感しかありません。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ/渋谷 ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。