レストラン ラッセ（Restaurant L'asse）／目黒

目黒は権之助坂を下って合流するあたりの中州にあるイタリアン「レストラン ラッセ（Restaurant L'asse）」。ミシュラン1ツ星。店名は手打ちパスタや焼き菓子など粉をこねる大きな一枚の木の板の上を指します。
シックな店内なのですが、ゲストに年齢制限を設けておらず家族連れもOK。子供向けの料理も用意されており、ファミリーに優しいお店です。

村山太一シェフは京都の料亭にてそのキャリアをスタートさせ、渡伊後は3ツ星「ダル・ぺスカトーレ」を始めとする名店で経験を重ねました。塩、アンチョビ、オリーブオイルはイタリア産のものを使用していますが、それ以外の素材は全て日本産を用いているそうです。
ボトルワインは3千円～と、ミシュラン星付きイタリアンとしては珍しいワインリストです。思いのほかフランスワインが充実していました。
最初に肉団子的なもの。1口目としては中々にパンチの強い幕開けですが、こういう芸風は嫌いじゃありません。肉の旨味も調味も強く、さあ食べるぞという覚悟めいたものが生まれた瞬間。
北海道産のホッケ。ほえー、ホッケって居酒屋で塩焼きでしか食べたことがありませんが、なるほどこうやって丁寧に調理するのもアリですね。衣がカリっとクリスピーで乙な味。
フォカッチャはベーシックな味わい。気軽にパクパク食べちゃいます。
アンコウと毛ガニをアクアパッツァ風に。アンコウの弾力を楽しみながら、毛ガニの旨味が攻めてきます。単刀直入に旨い味覚であり、スープを1滴も余すところなく平らげました。
スペシャリテのチーズラヴィオリ。この料理はめちゃんこ美味しいですねえ。クリーミーな舌触りのタネは4種のチーズ。手打ちのパスタも口当たりがよく、追いうちを書けるような濃厚なソースも規範的な美味しいさ。東京イタリアン百名皿にノミネートされるべき完成度でした。
他方、メインはシンプルな豚肉であり、チーズラヴィオリほどの迫力はありません。美味しくないというわけではありませんが、これまでの料理に比べて印象が薄い。ここはひとつ、赤身バリバリのタフ系牛肉などを挟んでほしいところです。
〆のパスタは大中小からサイズを選ぶことができ当然に大。かなりハッキリとしたポーションであり食べ応え抜群。鶏のミンチを用いたシンプルなソースも美味。
デザートはスフレに甘夏のソース。ふんわりとした食感に甘夏の独特の風味が調和を奏でます。
イタリア料理店としては珍しく、小菓子に気合いが入っていました。立体的なプレゼンテーションも印象的で、プレシャスなおしゃべりトークタイムを楽しむことができました。
以上を食べ、3人で2本を飲んでお会計はひとりあたり1.6万円。店の雰囲気や客層を考えれば割安な価格設定に感じました。黎明期のちょっとキメたデートに最適。リッチな女子会にも向いているでしょう。

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