店内は結構広く、L字型のカウンター席にテーブル席のダイニングエリア。1人客でも受け入れているのが良いですね。佐藤武久シェフは銀座「ル・マノアール・ダスティン(Le Manoir D’HASTINGS)」や赤坂「シュマン(Chemins)」などを経て2014年に独立。
シャブリ産のビールがあるということで思わずオーダー。正統的なペールエールでしたが、世の中知らない飲み物がまだまだあるものだ。その他、グラスワインは千円前後と懐に優しい。
アミューズはベーコン風味の塩気の強い焼き菓子(?)にパテ、ブーダンノワール。いずれも王道の味わいであり、酒が進む系で嬉しくなる。親しみやすいワインの品ぞろえを含め、当店は呑み助が多数集まる店とみた。
バゲットは一般的なもの。さてここからお料理が始まるのですが、プリフィクスなスタイルであり前菜・メイン・デザートという組み合わせはもちろんのこと、デザートを無くして前菜を増やしたりといった変更もOK。私は前菜3皿にメイン1皿という組み合わせとしました。十番に似たような仕組みの店があって凄く好きだったんだけど、閉店しちゃったんだよな。どうしたんだろ。
最初の前菜はトウモロコシのブランマンジェ。生の海老のねっとりとした旨味がグッド。ただしブランマンジェそのものは素材の味が薄く、もうちょっと詰めても良かったかもしれません。
続く前菜は鮮魚のマリネと季節野菜のマリネ。お魚はマダイであり肉厚で抜群の弾力を誇ります。シンプルな調味でお魚そのものの美味しさを楽しめました。
前菜3皿目は鮎のキッシュ。キッシュの生地との重なり合いや、苦味のきいたソースがグッド。そう、数日前に「柳家」で丸々太った鮎を5匹も食べたのですが、やっぱり塩焼きのようにどシンプルな料理よりも、こういった手の込んだ料理のほうが私は好き。美味しいだけにもう少し大きなポーションで欲しかった。
メインは羊肉をスープ仕立てに。たっぷりのクスクスやチョリソと共に頂きます。味そのものは悪くないのですが、どうにも家庭料理感が強く映えない。無難にフィレ肉の何かとかにすれば良かったです。
食後にタイの何かのハーブティ。レモン汁を入れると赤紫色に変化し化学実験のようで楽しかった。
以上を食べ、ビール1本にグラスワインを2杯飲んでお会計はひとりあたり9千円ほど。自由度が高くトータルの量も多めであり、酒もリーズナブル。近所にあったら通い詰めてしまいそうな使い勝手の良いお店です。ランチの営業時間が厳格で割と最後追い出され目になったので、ダラダラ飲む派の皆さんは夜に訪れましょう。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- メシモ(MECIMO)/小田原 ←重厚長大なレストランの裏をかく魅力的な設計
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- マノワール・ディノ(Manoir d'inno)/表参道 ←料理は直球勝負。ワインは高くない。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。
- エステール(ESTERRE)/大手町 ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。