あなたは赤福と御福餅の違いを語れるか?食材の宝庫、伊勢・志摩を巡る美食の旅

今年は海外旅行はむりぽなので、国内の未開拓領域を重点的に攻めることにします。今回のGoToは伊勢・志摩エリア。旅行先としてクローズアップされることは少ないですが、松阪牛・伊勢海老・鮑と、この地域は食材の宝庫です。


<賢島>
■ラ・メール(La Mer)
https://www.takemachelin.com/2020/07/la-mer.html
伊勢志摩サミットの舞台である志摩観光ホテル。昭和天皇をはじめ国内外のVIPが滞在し、「華麗なる一族」の舞台にもなりました。そのメインダイニングにあたるのがフレンチレストラン「ラ・メール」。カンテサンスの岸田シェフが料理人としてのキャリアをスタートさせたお店です。詳細は別記事にて


■ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 賢島
https://www.takemachelin.com/2020/07/hiramatsu.html
ひらまつがホテル事業に本格参入。最初に目を付けた地は三重県は賢島(かしこじま)。伊勢志摩サミットの舞台であり、国内外のVIPが滞在する渋い保養地です。最近ではアマンも開業して話題となりました。ホテルまでのアプローチは「MAGACHABARU(マガチャバル)」に似た雰囲気です。詳細は別記事にて
食事は本当に美味しかった。盤石なひらまつ系列の調理レベルに加え、伊勢志摩の食材の凄味が発揮された割と最強系のディナーでした。1泊2食付きプランなので夕食に係る費用は恐らく2~3万円ほどであり、このクオリティの料理とワインを考えれば大変リーズナブルと言えるでしょう。詳細は別記事にて


<伊勢>
■伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)
https://www.isejingu.or.jp/about/geku/index.html
小学校の修学旅行ぶりにお伊勢さんへ。外宮と内宮があって、まずは外宮からというルール。外宮の橋は左側通行で、内宮の橋は右側通行という謎の定めがあります。こういう細かい決まりを発案するのって、だいたい取り巻きですよね。当の神様本人は意外に気にしてなさそう。
柄杓を用いての手水は取りやめに。神様もコロナには勝てないのか。


■伊勢神宮検 内宮(皇大神宮)
https://www.isejingu.or.jp/about/naiku/index.html
外宮からバスで15分ほどの場所にあるメインステージ。先にも述べましたがコチラの橋は右側通行です。修学旅行の際、同じクラスの誰かが宗教上の都合で伊勢神宮には一歩も入れず、ずっとバスで待機しており幼心ながらに「宗教ってこええなあ」と身に染みたのですが、互いの神様もこんな細かいこと気にしてないだろうに。私が神なら「そんなんどうでもいいよ、それよりも友達と素敵な思い出を作って来なさい」って快く送り出すのだけれど。
日本の神道の総本山であるのに、雰囲気は意外とカジュアルでした。老若男女問わず皆、気軽にお参りを楽しんでおり、いいねえ、神様はみんなのものだ。


■おはらい町
https://ise-kanko.jp/main/overview/ise/oharai/
内宮の鳥居前町として栄えた約800mの美しい石畳の通り。沿道には伊勢うどんや手こね寿司などの郷土料理を供する飲食店や土産物店が軒を連ねます。ところで伊勢の人たちってモノトーンの服を好むのでしょうか、やたらと黒い服装が目立ち、マリリンマンソンのライブへ向かう通りのようでした。


■赤福本店
https://tabelog.com/mie/A2403/A240301/24000008/
みんな大好き赤福餅。餅を漉し餡でくるんだいわゆるあんころ餅の一種です。餡には三つの筋が付き、五十鈴川の流れを表しているそうな。
赤福に似た形状の菓子は日本各地にあるのですが、赤福はマーケティング戦略に長けていたようで今や業界のガリバーと言えるでしょう。ここ本店では手作業で作られるのですが、駅やサービスエリアで売られている土産物は機械を用いての製造だそうです。
通常時はカキ氷やぜんざいなども提供しているのですが、コロナ禍にあったため赤福餅のみの提供。お茶がついて220円と格安。軒先には行列が生じていたのですが、皆パっと立ち寄ってササっと食べて出ていくので、非常に回転が良かったです。


■おかげ横丁
https://www.okageyokocho.co.jp/
「約300年間変わらず商いを続けてこられたのもお伊勢さんのおかげ」と、赤福が当時の年商に匹敵する約140億円をかけて作り上げた横丁。おはらい町を横に曲がるとおかげ横丁でありシームレスに繋がっているため、同一エリアと捉えて問題ないでしょう。


■猿田彦神社
https://www.sarutahikojinja.or.jp/
内宮の近くにある神社。恵比寿の猿田彦珈琲と関係あるのかなと思い立ち寄ってみましたが、珈琲に関連する何かは見当たりませんでした。


■河崎
http://www.isekawasaki.jp/
伊勢市駅から北東へ10分強、勢田川沿いにある蔵の街「河崎」。伊勢湾を渡ってきた伊勢神宮の参拝客が上陸する河岸を中心に室町時代から江戸時代にかけて発達した町であり、未だ町屋や土蔵などの歴史的景観が残されています。
カフェやショップなどに素敵に改装されかなり映える街並みなのですが、観光客はそう多くはありません。お伊勢さんへのお参りの前後にまったり散歩するに最適です。


■なかむら珈房
https://tabelog.com/mie/A2403/A240301/24012069/
河崎にあるコーヒー専門店。もともと地元では有名なお店なのですが、伊勢志摩サミットにて安倍昭恵が開催した配偶者プログラムにコーヒー豆を提供したことにより名を馳せました。通常は店内で淹れたてを楽しむこともできるのですが、この日はテイクアウトのみ。豆本来の味わいがストレートに伝わってくる焙煎であり、透き通るような味わい。酸味の角は取れ甘味すら感じられる口当たり。お伊勢さんの前後の河崎散歩のお供にどうぞ。


■虎丸
https://www.takemachelin.com/2020/07/toramaru.html
河崎でも1・2の人気を誇る居酒屋がココ「虎丸」。ミシュラン3ツ星鮨店「こま田」のすぐ近くです。日本酒を中心に結構飲んで、ひとりあたり9千円弱と大変リーズナブル。雰囲気としては居酒屋ですが魚のクオリティでは高級割烹顔負けであり、都心の気取った店で似たような料理を食べれば3倍は請求されるレベルの料理です。この店を悪くいう人は恐らくいない。詳細は別記事にて


■伊な勢
https://www.takemachelin.com/2020/06/inase.html
城かよとツッコミたくなるほどの立派な店構えであり背筋が伸びます。店内も見事にジャパンという雰囲気であり外人を連れて来たら大喜びしそう。横並びのカウンター席もあれば個室やダイニングのような部屋もあり、使い方は多種多様。週末のランチにお邪魔したのですが、予約で全席を埋めていました。詳細は別記事にて


<二見浦>
■二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ
https://futamiokitamajinja.org/
二見浦駅から木造の純和風旅館などが並ぶ旅籠町を抜けた先にある二見興玉神社。境内には、神の使いとされる二見蛙(無事にかえる、お金がかえる)が多く配備され可愛らしいです。ちなみに地名としての「二見浦」は「ふたみがうら」と読み、駅名としての「二見浦」は「ふたみのうら」と読みます。ややこしい。
神社よりも有名なのはこの「夫婦岩(めおといわ)」でしょう。縄で太く堅く結ばれたふたつの岩は恋愛の象徴であり、縁結びのシンボルです。近くで二十歳そこそこのギャルと茶髪のオッサンがふたりで自撮りしていました。ふたりの恋が結ばれますように。


■賓日館(ひんじつかん)
https://hinjitsukan.com/
皇族を始めとするVIPの宿泊施設として夫婦岩すぐそばに建てられた旅館。現在は資料館としてその余生を送っており、入場料が必要なこともあってか誰も見向きもしません。この際もう一度、本当に泊まれるようにしたらいいのに。


■御福餅 本家(おふくもち)
https://tabelog.com/mie/A2403/A240301/24001440/
さて「赤福」にそっくりの「御福餅」についての検証です。「赤福」は誰もが知っているため「御福餅」はパチモン扱いされがちですが、地元では「御福餅」のほうが元祖であると主張する人がいたりいなかったり。
見た目はとても良く似ていますが、「赤福」は機械で製造されているため波の形が均一。「御福餅」は全て職人が手作りしているため波の形がやや不揃いであり、舌触りもやや粗いような気がしました。
ついでにカキ氷も注文したのですが、これは高いだけの観光客向けで全然ダメですね。しかも客は我々だけだというのに注文をすっかり忘れているという始末。こういうミスの積み重ねが全国区に到達するか否かなのかもしれません。


食べログ グルメブログランキング

人気の記事

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。