coyacoya(コヤコヤ)/恵比寿

恵比寿駅から徒歩10分弱の明治通りから少し入った路地にある中華料理「coyacoya(コヤコヤ)」。「アムール(AMOUR)」とかあのへんです。月に1度くらい予約を受け付ける時があって(インスタやfacebookで告知)、まさに秒で全ての枠が埋まるという人気店。
コンクリート打ちっ放し風の店内。カウンター十数席のみの小さなお店です。宮崎小弥太シェフは武藤敬司をダウンサイジングしたような風貌であり、茶目っ気たっぷりの魅力的なオッサンです。どこかのお店で修業をしたわけでなく、50代になってからそのホームパーティ力を活かして当店を開業したそうな。
生ビールは香るエール。量もたっぷりであり、この立地で600円かそこらというのは良心的な価格設定でしょう。瓶ビールも似たような価格であり、ワインもいくつかありました。
「卵だらけのポテトサラダ」。なるほど想像以上に卵だらけというか卵であり、センス溢れる盛り付けです。ハーブやナッツ、スパイスの使い方に思いきりがあって、いわゆるポテサラよりも食べ応えが強い。
よだれ鶏はしっとりとした質感で優しいタッチです。一般的にはタレの強さでガンガンに押してくる料理ですが、当店のそれは鶏肉の味そのものが強く感じました。
餃子は5個で600円。味は悪くないのですが、これはちょっと高いかなあ。すぐそこの「えびすの安兵衛」は、方向性は異なりますがあちらの費用対効果とつい比べてしまいました。
春巻き。まさに揚げたての逸品であり、トロトロの餡にたっぷりのキノコたち。パリっとした歯触りにジューシーな食感がクセになります。
子羊の麻婆豆腐。自家製の豆板醤にミンチ状のラムが印象的。スパイスはもちろんのこと肉の香りも蠱惑的であり、ピリリと辛い山椒が見事なスマッシュを決めてくれました。

飲んで食べてお会計はひとりあたり5千円強。決して安い支払金額ではありませんが、わかり易い味付けに随所で光る真似できないセンス。何よりシェフのキャラが立っており、実に楽しそうに、ゲストとワイワイおしゃべりしながら(時には歌いながら)料理をしているのが心に残りました。これぞ外食の美点である。

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