ど派手な外観とは打って変わって、内装はコロニアル調で品が良い。天井も高くゆとりのある空間です。サービス陣はしっかりとしており、丁寧で感じの良い人ばかりです。
あまり下調べせずフリーでお邪魔したのですが、お昼のセットメニューのようなものはなく、ランチもディナーも同一のアラカルトメニューです。そしてその1品1品が恐ろしく高い。私は年に5回は香港を訪れるそこそこの飲茶通のはずですが、こんなに品数が少なく値段の高いお店はそうありません。
焼売は3粒で900円。ただしこれに席料とサービス料と税金が上乗せされるため、余裕で1,000円を超える1品です。なるほど1粒3百数十円するだけあって、豚肉だけでなく海老もゴロゴロと入っており、食べ応えのある焼売です。文句なしに美味しい。
担々麺は1,600円。ただしこれに席料とサービス料と税金が上乗せされるため、余裕で2,000円近くする1杯。心から上品なサイズであり、一般的な担々麺の半分かそれ以下のポーションです。
味は中くらい。ゴマで濁ったスープというわけではなく、名古屋の台湾ラーメン的に澄んだスープにひょっこりとスパイスが乗っているなという印象。麺にも特長はなく、そのへんの中華料理屋で千円でお釣りがくるクオリティでした。
焼売3粒と小さな担々麺1杯を食べて3,388円でした。消費税は当然としてサービス料も覚悟していたのですが、コペルト(席料)として300円まで取られていたのは笑撃です。サービスや客層、全体的な支払金額から勘案するに、商業施設に入居する中華料理屋というよりは、ホテルのメインダイニングと捉えたほうが良いでしょう。でもそれならマンダリン「センス(Sense)」の飲茶食べ放題に行くよなあ。
味と雰囲気は悪くないので、支払金額を一切気にしないのであれば魅力的なお店です。アラブの石油王と共にどうぞ。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 倶楽湾(クラワン)/田町 ←あの水煮牛肉の美味しさは確か
- 味覚/虎ノ門 ←世界一辛い麻婆豆腐
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- チャイニーズレストラン直城/高輪台 ←空間の居心地の良さや総体的な美味しさには価値がある
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン
- 蓮香居(Lin Heung Kui)/上環 ←好きなものを好きなだけ食べているのにも関わらず、ひとりあたり1,000円と少しという驚異の費用対効果
- 唐閣(T'ang Court)/尖沙咀(香港) ←3ツ星の料理がこの価格帯で楽しめるのは実にリーズナブル
- Shang Palace(香宮)/尖沙咀(香港) ←ミシュラン星付きの飲茶でこの値段ならまあまあ
- 杭州酒家(Hong Zhou Restaurant)/湾仔 ←1杯3,000円の蟹味噌あんかけ麺