四川豆花飯荘(シセントウファハンソウ)/丸の内

新丸ビル6階にある新鮮料理店「四川豆花飯荘(シセントウファハンソウ)」。店先にある新手のスパイダーマンみたいなポーズを決めた看板が目印。「シンガポール四川」と名乗っていますが、どういった経緯かはよくわかりません。
空間デザインはシンガポール本店をデザインした方と同じ。店の奥行きが結構あって、どんつきは全面ガラス窓で開放的。個室も多く、雰囲気やサービスも良いので接待での利用もイケそうです。
注文を済ますとすぐに茶藝師がやって来て、特大スポイトのようなヤカンでお湯を発射してくれます。単なるパフォーマンスだけでなく、このお茶は相当美味しい。「八宝茶」と、ジャスミン・紅なつめ・百合根・龍眼・菊花・クコ・クルミ・氷砂糖が用いられているそうなのですが、気取った中華料理店であればポットで千円や2千円は取られてもおかしくないクオリティでした。
お茶をゆったりと楽しんでいると(本当に美味しい)、すぐに注文の品が届きました。麻婆豆腐セット。通常1,500円のところ、13周年特別価格ということで1,300円。化学調味料などは一切使用していないとのことです。
玉子スープ。美味しい。素朴で優しい味わいですが、上質な液体であることがすぐにわかります。
主題の麻婆豆腐。私の好みは山椒バリバリ系なのですが、当店はどちらかというと唐辛子寄り。それでも好みの有無を打破するだけの頼もしい味わいであり、豆腐の舌触りも滑らかで美味。
ライスはまあ、普通のライスです。
デザートに杏仁豆腐。トロっとクリーミーな質感に濃密な杏の風味。甘さに頼る安直さはなく、素材全体の強さで押してくる、ベリーナイスなものでした。
サービス料に税金、お茶代を含めて2千円弱。単なる麻婆豆腐セットと見れば高く感じますが、店の雰囲気やサービスの良さ、美味なる八宝茶を考えれば納得の支払金額です。八宝茶は本当に美味しかった。茶藝師がお湯を注ぎ足してくれるので、味わいが少しづつ変化するのも楽しい。妙に長居してしまったランチでした。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。