店内は暗い。真昼間に訪れましたが足元が覚束ないほど暗く、良く言えば大正ロマン的ではありますが、ホーンテッドマンションのような霊感があります。テーブル席とカウンター席があり、今回はカウンター席をチョイス。
まずはズワイ蟹のサラダ。蟹が若干カンヅメ的に水っぽく味が薄いのですが、その量は目を瞠るものがあり、ランチセットのオマケのサラダとしては驚きの設計です。トビコのプチプチとした食感も地味に良い。
私は「特選ハラミステーキ」を注文。コロナタイムのランチと言えども注文後に調理を開始してくれ、いわゆる夜に何万円も要する鉄板焼き屋と全く同じ仕組みでの提供です。目の前の鉄板でジュウジュウと肉が焼ける様を見るのは心が躍る。
特選ハラミステーキ。なるほど旨い。確かにこれは特選である。これまでランチにおけるハラミ料理の王者は銀座「レ・コパン ドゥ ドミニク・ブシェ(Les Copains de Dominique Bouchet)」のバベットステーキでしたが、本日より当店の「特選ハラミステーキ」です。肉の美味しさはもちろんのこと、ニンニクに対する火の通り具合や香りなど、総合的なバランスが素晴らしい1皿。
白眉はソース。鉄板に卵を落としスクランブルエッグ状態にし始め、チャーハンにでも混ぜるのかなと思いきや、タルタルソースとして化けて出てきました。ほんのりと温かく、適度な酸味や滑らかな舌触りが絶妙。ニッチな争いではありますが、人生で食べたタルタルソースで一番美味しかった。
ガーリックライスは味濃いめニンニクきつめの男気溢れるスタイル。肉を受け止めるライスというよりは、これ単体でグイグイできる味覚です。脇に添えられた自家製のはりはり漬けも地味に美味しい。
ガーリックライスを半分ほど食べると一番出汁が添えられます。ひたひたに注ぎ、フィニッシュはお茶漬け風にサラサラ行きましょう。
デザートは塩ミルクアイスにチーズケーキ。これが雑なオマケスイーツとは一線を画す味わいであり、チーズケーキの深みなどその辺のエセバスクチーズ屋が尻尾を巻いて逃げ出すレベルです。チーズの味が濃く、旨味がある。
食後のお茶で一服し、ごちそうさまでした。お会計は2,500円+税と、信じがたい費用対効果の良さです。追加で「黒毛和牛牛すじカレー」や「特選麻布ハンバーグ」も注文しようかと思いましたが、残念ながら私の胃袋はひとつであった。
現在は東京都の休業要請に従い11:30~ラストオーダー19:00という変則的な営業形態ですが、見方を変えれば通し営業で2,500円のミラクルランチにありつけるという意味で、消費者にとってはボーナスタイムに他なりません。11:30に昼飯に訪れ、18:00に晩飯にお邪魔したいレベル。港区民よ、急げ。これはコロナ禍における期間限定メニューだ。
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麻布十番は隠れた焼肉激戦区。突出したお店は無い一方で、優等生が多い印象です。
- 焼肉 おくむら ←ランチでは都内トップクラスの費用対効果。ハラミが旨いんだ。
- 焼肉苑 ←十番いや日本全体で見たとしてもお得なランチ。
- みやび ←ランチがお得。スープのおかわり無料がバッチグー。
- 叙々苑 ←欠点が何一つ見当たらない。
- 新興苑 ←韓国大使館向かい。日本語が通じず異国情緒満点。
- 大昌園 ←川崎の有名店が都内に初進出。
- コソットエスピー ←お洒落だが割高。
- 韓日館 ←文字通り震え上がるチーズダッカルビランチ
- ブルズ ←半個室なのでのんびりできる。
- 山本牛臓 ←サムギョプサルが良い。レタスとエゴマはお代わり無料♪
- おんがね十番 ←ランチだとオイキムチとカクテキが食べ放題♪
- 鳳仙花 ←老舗の超有名店。
- 焼肉トラジ ←お友達家族とのランチなどで真価を発揮。
- 大邱家(タイキュウヤ) ←常に空いている理由。
- 純豆腐 田舎家 ←店員含め本格派。
- 三幸園 ←ランチの焼肉丼が特徴的。
- 栄来亭 ←創業は1965年、麻布十番で初めてできた焼肉屋。
- 花十番 ←+220円でユッケジャンスープがお買い得。
- Kintan ←雑穀米が美味しい。
- 一番館 ←何この量!?カンナムスタイルかよ。
- 新鮮ホルモン ランボー ←味と量と価格のバランスは十番焼肉業界でトップ
- 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!