「鍋二郎」とは、もともとは三田本店で慶應義塾體育會(たいいくかい、と読み、つまり体育会のこと)の学生のために始まったサービス。部室にある鍋を持って行って裏口から「千円で」と申し添えて鍋を渡すと、その鍋いっぱいにワッサワッサと盛ってくれた裏技。その「鍋二郎」がコロナの影響により目黒店で復活する運びとなりました。
ちなみに18時を過ぎた時点で10人ほどの待ち行列。もちろん麺をこの場で茹でるわけでもなく中で食べるでもないので通常営業時よりも回転は全然速い。お店の中に入るのは1人づつであり、空の鍋やタッパーなどを大将ならびに助手の方にお渡しすると、分業形式で手際よく詰めてくれます。
1,000円で1キロほどの麺量です。普通のラーメン換算で大盛りが4杯といったところでしょう。これまでかなりの回数の二郎をこなしてきましたが、生の状態の麺に触れるのは初めてであり胸熱です。
こちらがスープ。すごい脂の量です。
こちらは「ヤサイ」ですね。他店よりもモヤシの比率が高い気がします。麺量に比して少な目に感じたので、足りない方はセルフでモヤシやキャベツを用意しておくと良いでしょう。
「ニンニク」は「ヤサイ」に比べて物凄い量。成人男性1年分の消費量ぐらいはありそうです。以上がセットで1,000円。ラーメン大盛り4人前が1,000円と考えれば驚異的な費用対効果です。
「ブタ」すなわちチャーシュー。コチラは1本で2,000円。おひとりさま2本までお買い求め頂けます。
網状のタコ糸でしっかりと纏められています。キッチンバサミでチョキチョキ切って、さらに包丁でスライス。
スープをリヒートし、麺を茹で始めます。助手の方からは「7分間しっかり茹でて下さい」との助言があったのですが、私はカタメ原理主義者なので、6分ほどで引き上げました。
おおー!美しい!ツヤッツヤのピッカピカに輝く瑞々しい麺であり、手打ちパスタが自慢のイタリアンに比肩する麺のクオリティです。これまで二郎という料理のいち構成要素として麺に接していましたが、セルフで麺だけに向き合うと、思いのほかハイクオリティな麺だったことに今さらながら気づきました。
キレイに盛り付けて頂きます。おおー、これはまさに二郎である。自分好みの硬さや濃さ・量にアレンジできるからか、お店で食べるより美味しいような気がします。ロット乱しの心配をすることも無いですし。
コロナ禍においてテイクアウトがある種のブームになっていますが、店で食べても家で食べても全く味の劣化が生じない稀有な存在。二郎だからといってネタ的に依怙贔屓するわけでなく、これはかなり完成度の高いテイクアウトです。お試しあれ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。