席数はそれほど多くないにも関わらず、空間はとても広く0密です。窓際の席はグリーン越しに太陽が入って来、とても健康的な雰囲気。ランチであれば黎明期のデートに最適でしょう。
福田憲一シェフは札幌や東京で腕を磨き、ローマやヴェネツィアで経験を積み帰国。当店で使用される器なども手がけているそうな。
暑い1日だったのでまずは生ビールから。この手の飲食店としては大容量であり、価格も800円とお得。この後もお料理に合わせて白ワインと赤ワインを頂いたのですが、いずれも千円台と良心的な価格設定でした。
アミューズはオナガダイのカルパッチョ。オナガダイとはハマダイもしくはアカマチなどとも呼ばれており、沖縄では三大高級魚として取り扱われています。脂が強く皮目の旨味もハイパワー。
パンはどシンプル。後続のお料理のソースが強ければこれでもOKですが、どちらかというと素材推しのお店に感じたので、もう少しややこしいパンのほうが私は好みでした。
旬のお野菜。サっと湯がいて塩麹のみで頂きます。間違いなく美味しいのですが、オイシックスなどの高級小売りで野菜を買って自宅で調理しても良いセンに辿り着きそうでもある。
ニンジンのスフレ。キューブ状態を保ってはいるもののプリンのように柔らかい触感。ニンジンの甘味が強く、チーズの塩気ならびに旨味との取り合わせが良かった。
パスタは手打ちのタリオリーニ。ピエモンテ州でおなじみ卵を使った平打ちパスタです。麺の存在感が強い分、具材や調味はシンプルに仕上げており、全体としてバランスの良い1皿でした。美味しいだけにもう少し量を食べたい。
メインはスペシャリテの「山形県黒毛和牛ホホ肉の炭火焼き」。ホホ肉を煮込んでから炭火で焼いており、第一印象はカリカリとしながら内側はジューシーに柔らかい。単調になりがちな煮込み料理に食感を持たせたハイブリッドな逸品です。
デザートはティラミスにジェラート。エスプレッソを流し込んでアフォガード風に仕上げます。万人受けする味わいであり、直線的に美味しい。
ハーブティで〆てごちそうさまでした。
お会計で驚き、ひとりあたり7千円を切りました。量の少ないコースを選んだためボリュームが物足りないなと感じましたが、この支払金額であれば大満足です。次回は夜に、一番高いコースでシェフのフルパワーを楽しみたいなと思います。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ センソ(Ristorante Senso)/白金台 ←どの皿も創意工夫に溢れており、それぞれがきちんと美味しい。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia)/広尾 ←すべてが期待以上、満足感しかありません。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ/渋谷 ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。