BISTRO FAVORI(ビストロ ファヴォリ)/代官山

代官山は蔦屋書店の斜向かい、旧山手通りに面したカジュアルなフレンチ「BISTRO FAVORI(ビストロ ファヴォリ)」。かなりの大箱で店内は50席以上はありそうです。ちなみに店名の「FAVORI」はフランス語で「お気に入り」という意味です。
私は密を避けてテラス席を予約済み。「ひさしぶりー、元気してた?」バレリーナのように長い手足を振りながらちょこんと私の隣にかける女医。相変わらず美人である。どう?コロナで仕事は忙しい?
「ぜーんぜん、だってあたし、コロナ関係ないもん」厚く瑞々しい口を尖らせる彼女。「病院がコロナのために余裕持たせておこうってなって、入院とか手術とかがぜーんぶ延期になっちゃったから、正直ヒマしてる」
グリーンサラダは店員が大きなバスケットからトングで取り分けるという、ありそうで無いプレゼンテーション。2種のドレッシングも結構美味しい。

「っていうか、いま忙しいのコロナ関係者だけだから。どこの国の真似してるのか知らないけど、『医療関係者に感謝!』とか言って定時にお空に向かって拍手してるの、バッカみたい。日本でやるのはただの自己満足だよね。それともインスタ映え?そのくせ学校とか保育園で医療関係者の子供のことを差別するんだから絶対に許さない。お前ら二度と病院来んじゃねーぞ、って感じよね」
当店流のカプレーゼ。トマトのエキスをゼリー状にしているようですが、味わいがぼやけてしまい企画倒れ。ここは普通にバジルのきいた普通のカプレーゼで良かった。

「メディアも意味不明だよね。毎日毎日ネガティブな情報流して、何をゴールにしているのか全然わからない。特に問題がなかったとしても無理くり事件に仕立て上げてさ。医療なんて、アラを探そうと思って向き合えば必ずアラは見つかるものなんだから」
新玉ねぎのポタージュ。王道でわかり易く万人受けする味わい。もう少し玉ねぎのザラつきを残した方が私好みです。

「院内感染についても鬼の首を取ったように騒ぎ立ててさ。あんなに袋叩きにされるなら、合理的な病院経営者は『コロナだったら面倒だからパス』ってなって、コロナ受け入れ病院に皺寄せが集中してパンクするの当たり前じゃない。医療崩壊の原因はバカなテレビとアホな視聴者ってこと、気づかないのかしら」
連れのメインは「サーモンとアスパラのブロシェット」。メニューに「ブロシェット」とあったので、ネギマのような串焼き状態で来るのかと思いきや、サーモンにアスパラをぶっ刺して貫いていました。これは斬新。中笑いである。
私のメインは「ナヴァランダニョー 仔羊と蕪の軽い煮込み」。うーん、不味くはありませんが美味しくもないですね。食材それぞれがバラバラに存在しており、一体感の無い1皿です。オセアニアで食べる西欧料理のような味がしました。

「まあ、検察官の定年がどうの、ボビー・オロゴンがどうのって、どうでもいいニュースが増えて来たから、もうみんなコロナに飽きてきたってことだよね。今度はあたしたちが覚悟しなくっちゃ。普通の生活が始まると、これまで溜めこんでた患者でめちゃんこ忙しくなるからなあ。はあ、憂鬱」
デザートはスペシャリテの「FAVORIフレンチトースト」をチョイス。「10時間かけて卵液を染み込ませ、じっくりとていねいに焼き上げたフレンチトースト」とのことであり、プリンのようにプリンプリンした食感でグッド。ハチミツの甘味にも品がある。本日一番のお皿でした。
以上、お会計はひとりあたり3,500円。料理の味は普通ですが、立地やテラス席の雰囲気を考えれば悪くないランチです。屋外に陣取り、街行く人々の人間観察を楽しみながら雰囲気を味わいましょう。


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