恵比寿駅東口を出てすぐのビル地下にある韓国料理「水刺間（スラッカン）」。「王様の台所」という意味であり、韓国料理屋としては珍しくオシャレで上品なお店です。
「王様の台所」なだけあってガラス張りのキッチンがドーンとお店の中央にあります。その迫力を楽しみながら、テラス席やテーブル席、個室など多様な座席。かなりの大箱です。
「いや～、コロナコロナコロナ！ほんと参っちゃいますよ」HSPで有名なYouTuberである彼は今にも泣きだしそうに言う。まあまあ、大げさに考えるのはやめなよ、大抵のことはそのうち何でもなくなるから。
グラスのシャンパーニュは1,400円と控えめな価格設定ですがグラスが小さい。そういえば韓国料理屋でシャンパーニュがあるのは初めてかも。韓国料理は酸味と辛味が強いのでワインはあまりマッチしないような気がするけれど。
「外に出て動画を作れなくなったのがホント辛いっすね。室内動画には限界がある。海外に行けないのも大ダメージ。撮り貯めていた動画もあるんですけど、『この動画は〇月〇日に撮影しました』みたいなテロップをいちいち入れるのもすげぇ面倒くさいし」
前菜（？）に菜の花、ホタテ、テリーヌっぽい何か。おおー、全然期待していませんでしたが（失礼）、この前菜はとても美味しい。特にホタテなどピンポン玉サイズに大きく、ムシャムシャと食べ応えがあります。なるほどこのベクトルであればワインも合ってくるでしょう。
ポッサムキムチ。「ポッサム」とは韓国語で「巻く」という意味です。
お店の方がハサミを使って解体すると、中から魚介類すなわちマグロ・ホタテ・エビ・イカなどがゴロゴロと転がり落ちてきました。スパイシーな生魚たちは形を変えたポキのようでもあり、
ヒロの「スイサン」を思い出しました。
チャプチェ。春雨の炒め物ですが、今回は魚介類がたっぷり入っています。こんなに上品なチャプチェは初めてです。
「UUUMは動き早かったっすよ。クリエイターたちは外で動画撮るな、誰とも会うな、って早々にお達しが出ましたからね。なんせバディとも対面で会っちゃいけないんですからね」ちなみにUUUMとはYouTuber専門の芸能事務所であり、バディとは所謂マネージャーのことを指します。
トッポギは韓国餅の甘辛和えですが、当店のトッポギは揚げているのか何なのか、餅の表面がカリカリとした食感で香ばしい。鶏肉やカボチャなどの取り扱いも実に丁寧であり、和食の炊き合わせを惹起させます。
チジミは立体的でオムレツのような造形です。表面はカリカリながら中身はふんわり。恐らく山芋か何かを用いているのでしょう。
沖縄料理の「うむくじぷっとぅるー」っぽくもある。具材にはやはり海老などの具材が多用されており、何ともゴー☆ジャスなチジミです。
メインはプルコギ。
ラーメン二郎もかくやと思わせる野菜タワーが象徴的。ここに壺漬けした和牛を加え火を通していきます。もちろん店員さんが全部やってくれます。
完成しました。当店のこれまでの結果を鑑みるにさぞかし旨いものであろうと大変期待したのですが、プルコギはプルコギでした。良く言えば韓国風のすき焼き、悪く言えばスパイシーな吉野家の牛皿。
サンチュやエゴマ、白髪ねぎを巻き巻きして食べるのも良いでしょう。なぜかマカロニが置かれ、当店のこれまでの芸風を鑑みるにさぞかし旨いものであろうと大変期待したのですが、マカロニはマカロニでした。
「今は自粛で何やっても全然ダメじゃないっすか？でもね、すぐにみんな飽きると思うんですよ。で、秋口ぐらいからは復興ムードになると踏んでます。だからそのために色々ネタとか仕込んでおこうと思ってて」
〆の炭水化物として焼きラーメン、焼きうどん、チャーハンから選ぶことができます。我々はチャーハンをチョイスしたのですが、先のプルコギのタレを利用して石焼ビビンバ風にするものでした。おこげが旨い。
杏仁豆腐は普通です。調味そのものは悪くないのですが、人工的な弾力が眉をしかめさせてしまいます。
「そうそう、この前〇〇〇〇（大物歌手）さんにお会いする機会があったんですけど、いやあ、やっぱ凄いですね。オーラが違う。生まれた時から芸能人ってカンジで、あんなのYouTuberが束になってかかっても敵わないっすよ」なるほど、やはり『芸能人』と『芸能事務所に所属している一般人』は全くの別物なのでしょう。
軽く飲んでプルコギのコースを食べてひとりあたり7千円。韓国料理というジャンルとしては高価ですが、店の雰囲気は良く、どの料理も並の韓国料理屋とは一線を画す味わいなので、妥当な支払金額と言えるでしょう。日本では雑な韓国料理が主流なので（
雑部門としては赤坂「チョンソル（青松）」がベスト）、当店の風変りなベクトルを試してみる価値は大いにあります。飲み放題プランもあるようなので、ちょっとした打ち上げにも良さそうね。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
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