店内は白とこげ茶のコントラストが織りなすシックな雰囲気。厨房を囲んだカウンター席にダイニング、2階と地下の個室など使い道は様々。トータルで50席と結構な大きさです。
ランチコースに合わせた5種のペアリングをお願いしました。結論を先に述べると、飲んで食べて1万円ポッキリというのは非常にお得と言えるでしょう。
まずはカツオ、脂を感じるトロンとしたカツオを香り高く炙ります。調味はシンプルでカツオの旨味がダイレクトに伝わる。
マダイ。出汁と塩のシンプルな味付け。カツオと同様、魚の美味しさを上手く引き出しており、和食のようなアプローチです。
パンは2種。いずれもシンプルなものなのですが、別皿で供されるシチリアのオリーブオイルが実に濃厚。
リボリータ。「リ」は再び、「ボリータ」は煮込むという意味であり、残り物の野菜をや硬くなったパンを再利用したトスカーナ地方の家庭料理です。ここのところリボリータを食べる機会が多いのですが、当店のそれは汁気が多くスープのような立ち位置でした。
パスタは手打ちのタリオリーニ。卵を使った平打ちパスタです。季節を代表する旨味であるホタルイカがたっぷりと用いられており、赤ワインと合わせて飲んで乙な味。
メインはオーストラリア産仔羊背肉の炭火ロースト。炭で焦げた香りが食欲をそそります。やや脂身が多いきらいがありますが、脂の甘味を楽しむものだと考えればこんなもんかもしれません。祇園「リストランテキメラ」と同様、メインはあまり記憶に残らず。
連れのデザートはイチゴにワインのゼリー。この人いつもイチゴばっかり食べてる。
私はマスカルポーネのアイスクリームに柑橘類。美味しいのですが、思っていたよりもマスカルポーネマスカルポーネしておらず、思いのほかサッパリとした印象でした。
ハーブティーで〆てごちそうさまでした。
先にも述べましたが、これだけ食べて飲んで1万円ポッキリというのは費用対効果抜群です。サービスの兄ちゃんも手際のよい対応であり、料理やワインの説明が必要にして十分なのが心地よい。唯一無二の絶品!という芸風ではありませんが安定感は抜群。接待や綺麗なデートにうってつけの、ゲストが主役になれるお店でした。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ センソ(Ristorante Senso)/白金台 ←どの皿も創意工夫に溢れており、それぞれがきちんと美味しい。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- プリンチピオ/麻布十番 ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- ラ トラットリアッチャ(La Trattoriaccia)/広尾 ←すべてが期待以上、満足感しかありません。
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ/渋谷 ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。