鍈輝(えいき)/恵比寿

焼鳥界の王者、目黒「鳥しき」の分店「鳥かど」の初代店長を拝命した小野田幸平シェフ。総本山同様に予約の取れないお店の筆頭格に育て上げた後、恵比寿の地にて「鍈輝(えいき)」の看板を掲げ独立。ちなみに彼の実家は田園調布「鳥鍈」ですこれ豆な。
独立後も速攻で予約困難店であり、食べログは3.84(2020年4月)と順風満帆なスタート。コロナが襲い掛かると早々に店を閉め、テイクアウト専業として1日で百数十個お弁当を売りさばく怪物っぷりです。
1つ2,500円。前日までに要予約。東京の焼鳥屋を代表するだけあって、お弁当であっても箱が立派です。箸と箱だけで100円以上するんとちゃうか。
蓋を開いた瞬間に炭火の良い香りが立ち込めます。弁当箱一面にご飯と海苔が敷かれており、半分はそぼろ、もう半分は焼鳥という構成です。
串はオクラ、ぼんじり、ししとう、かしわ(モモ)、つくね、白玉(うずらの卵)。お店で食べて美味しいのは当然として、こうやって冷めた弁当で食べても旨いのが凄い。白玉は半熟に茹でてから焼いているのか、表面はバリっと香ばしいのに黄身は半熟と、素人ではどうやったって真似できない仕様です。
白眉はそぼろ飯。粗挽きで食べ応えのあるミンチ肉に大量のナンコツ。モリモリこりこりと食べ進めるうちにテンションが上がってきます。肉の味も濃い。別容器でタレと山椒も用意して頂けるのですが、それらの必要性を感じさせない風味の強さでした。
お店で普通に飲んで食べて1万円ぐらいなことを考えると、これで1つ2,500円は安い。先にも述べましたが冷めても美味しいのが素晴らしい。全体的に味が強く酒が進むのも嬉しい。私的コロナ・テイクアウトグルメグランプリ優勝店。樽の強いシャルドネもしくは柔らかいピノを1本用意の上で臨みましょう。


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