鮨あらい/銀座

銀座八丁目「鮨あらい」。ミシュラン1ツ星、食べログ4.50(2020年3月)でゴールドメダル獲得と華々しい実績。新井祐一シェフは「久兵衛」と「すし匠」の二大巨頭で腕を磨いた後に独立。
大将が握るカウンター席と、二番手が握る個室では価格が異なります。今回われわれは二番手ルームにお邪魔しました。予約時間ピッタリにならないと入れてもらえず外で待たされるので気の早い人はご注意を。
小さな瓶ビールは800円と銀座の鮨屋としては悪くない価格設定。昼だからか周りの客は殆ど飲んでいませんでした。
号砲は蛸の煮物。塩水で炊いておりそのまま口に含んでも塩気は充分。ビールというよりも日本酒のほうが良かったかもしれません。
カツオは色が薄くサッパリとした味覚。他方、薬味としてすりつぶしたアサツキを用いており、これがニンニクのような香りを放って面白かったです。
タイラガイの磯辺焼き。あまり好きな食材ではないのですが、思いきり火を入れているからか臭みは消えており、海苔の風味が全体をまとめ上げとても美味しかった。ギュムギュムした食感もすごくいい。
牡蠣をオイル漬けにしてから蒸したもの。美味しいのですが家庭料理の延長ですね。良い牡蠣さえ手に入れば私でも作れます。
お餅のような外観の物体は白子。雪見だいふくのような外皮を少し破ると流れ出るミルキーウェイ。強めの塩と共に大人の味覚。シャリも欲しかったな。
キンメダイ。凝縮感のある個体で美味。しかしシャリが微妙。手のひらの中で何度もこねくり回されており、オニギリのようにカッチカチに硬い食感。私のタイプではありません。
ガリはホワイトアスパラガス状態のものを目の前でダイスカットしてくれます。シャクっとした食感が残っており美味。酸味と甘みはやや強め。
コハダ。〆はそれほど強くなく、魚そのものの味わいを全面に押し出します。ただ、やっぱりシャリの取り扱いが気になる。。。タネのたびに新たなシャリが厨房から持ってこられるのですが温度がブレブレであり、違和感を感じることが多かったです。
ハタの昆布締め。品の良い締め具合でありタネに関してはグッドです。
スミイカ。プっという歯切れの良い食感がいですね。
マグロの赤身は酸味強くフレッシュな味わい。
続いて中トロは赤身と脂身のバランスが良く本日一番のにぎりです。
大トロは筋が多く、また見た目ほど脂の逞しさを感じることはなかった。
サヨリは一般的なもの。マグロ3連発の後としては影を潜めてしまいます。
エビは強烈に茹で上げられておりカッチカチ。個人的にはしっとりとしたレア目なものが好きなのでプチ残念。
ハマグリは美味しいですねえ。仄かに感じる出汁の香りにハマグリの強い味わい。少量ながら主張のあるツメもグッドです。
紫ウニは舌の上でトロトロと液状化していくタイプであり、口の中でウニリゾットができあがります。軍艦の場合、もう少しシャリは大きくて良いと思うのだけれど。
穴子はよく握れるものだと思うほど柔らかく、ホロホロトロトロした食感。先のハマグリと同様にツメのベクトルが私好みです。
シジミ汁。シジミよりシジミの味汁。もうちょっと酔っぱらっていたらもっと美味しく感じたんだろうな。
ギョクは見た目こそカステラタイプですが甘さは控えめ。ボソっとした食感がちょっとサゲでした。

お会計はひとりあたり3万円。うーん、いくら銀座と言えど、これはちょっと高杉です。同じなじにぎり中心のランチという意味では、十番「すし家 祥太」の倍、広尾「鮨心」の7~8倍にも達します。聞くとこの小さな店には「奥に若手が14人いる」とのこと。なるほどこれは人件費と家賃を食べているということでしょう。

食事については安定感があり、外しはしないがひっかかりもしないという無難なタイプ。AKBで言えば渡辺麻友といったところ。でも金はめっちゃかかる。費用対効果が極めて悪いお店でした。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

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