最初に生ビールが出て、その後はひたすら日本酒が、というか日本酒しか出ないお店です。19時一斉スタートの1回転であり、お酒は実質飲み放題。ただし水と酒はセルフで注ぐ必要があります。
まずは貝の浜焼き。卓上でカキとハマグリをグツグツ煮た後に、仕上げでバーナーで表面を炙ります。カキがプックリと膨らみ実に美味しい。
魚介の出汁で炊いたダイコン。美味しいのですが、ダイコンはダイコンです。加えてこれになぜ20分も待たされたのかは原因不明。
小さめの黒アワビをひとりあたり丸々ひとつ。付け合わせの昆布などと混ぜ合わせて頂きます。美味しいのですが、この料理にも信じられないほど待たされたので、そんな間延びの後には美味しさも半減である。
カマスの一夜干し。普通に美味しいですが、その辺の定食屋の焼き魚定食と大きな差は見当たりませんでした。加えてやはり待たされ、暇なのでケータイに目をやると電波が届いていない。
エゾバフンウニ。料理というよりも素材であり当然に美味しいのですが、なぜこういった一皿が出るのに20分近く待たされるのかがよくわからない。
トラフグの湯引きにアンキモポン酢。これは美味しいですねえ。特大のアンキモを崩しながらトラフグに混ぜ合わせ、何とも身体に悪い逸品です。
ホタルイカは生のままと酒蒸しの2種。後者のほうが凝縮感があって個人的にタイプ。脇にあるセメント色のペーストはカニミソです。
鳴門のわかめ。暇つぶしとしては悪くありませんが、20分待って食べる一皿にしてはパンチが弱い。
マダラの白子をたっぷり海苔に巻いて一口で。口の中で広がるクリーミーな大人の味覚。
魚介の雑炊。ってもう終わり!?刺身とか無いの!?雑炊そのものとしては悪くありませんが、ちゃんこ鍋の締めで食べるそれと同等であり、量が3口ぐらいしかないので不満足です。
ヤリイカ塩辛。こちらも当然に美味しいのですが、あくまで酒のツマミであり料理としての満足度は低い。漁師料理とはよく言ったものですが、単なる雑な家庭料理です。
お会計はひとりあたり1.1万円。日本酒が飲み放題とは言え、食事の量があまりに少なく、その質も中くらい。皿出しのテンポもすこぶる悪い。これならデパ地下で魚介類を買い込んで宅飲みしたほうが満足度は高いでしょう。日本酒についても特にマリアージュを意識しているというわけではなく、とにかく量で押すという作戦。どうしてこんなに人気があるんだろう。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。