目黒にあるカレー屋としてはカルト的な人気を誇る「タダカレー(TADA CURRY)」。元々は中目黒で「カレーの店 COFFEE中目黒」として営業していたのですが、2013年に目黒は権之助坂へと移転しました。平日ランチタイムのみの営業で売り切れ仕舞いと難易度の高いお店です。この日は13:30にクローズド。私が最後の客でした。
店内はアットホーム、というかマンションの一室そのものであり、特にベランダの雰囲気に、誰かの家に遊びに来たようなニュアンスがありました。思わずお義父さんお義母さんと声をかけたくなるようなご夫婦が切り盛りされています。
通常のカウンター席が埋まっていたため、仮設の折り畳みテーブルに通されました。何このいじめられっ子感。私の暗い幼少時代の記憶が呼び覚まされます。
さて、カレーは「チキンカレー」「キーマカレー」「タイ風グリーンカレー」の3種。それらにトッピングをしたり、辛さや量を変えたりと自由にカスタマイズできます。私は「キーマカレー」に目玉焼きと野菜をトッピングしました。
注文を受けてから調理を開始するので着丼まで10分近くを要します。「キーマカレー」にはひよこ豆・ダール豆・レンズ豆の3種のビーンズが入っており、豚の挽肉というよりはかなり豆豆しい印象。まめまめまーめ。
全く辛くなく、むしろ飴色の玉ねぎ由来で甘くすら感じるのですが、じんわりと汗が噴き出してきます。これがスパイスの発汗作用というものか。ショウガやニンニクなど親しみやすい風味も感じられ、タマリンドで酸味も加えられていました。野菜のトッピングは200円の割に存在感が薄く、これならルー大盛り250円にすれば良かったと後悔。
卓上には福神漬けと玉ねぎの酢漬けが置いてあるのですが、この福神漬けが美味しい。かなり細かく刻まれており食感が良く、ちょっと不思議な味わいです。
お会計は1,300円。間違いなく美味しいのですが、支払金額を考えれば少し物足りなさを感じました。記憶に残る味覚かと問われればそうではなく、あくまで日常生活の延長線上に存在するカレー。意気込まず自然体でどうぞ。
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