席数は120とかなりの大箱。店内には来店した有名人の写真やサインがベタベタと貼られており品がありません。子供が走り回っているようなカジュアルな雰囲気であり、料理の説明の際にワゴンに満載した食材をプレゼンテーションするあたり、広尾「アッピア」を思い出しました。
酒が恐ろしく高い。何でもないスプマンテがグラスで1,700円であり、写真のアペロールのソーダ割なんて1,300円です。こんな値付けではどう考えてもビスボッチャ(宴)は不可能です。完全に心が閉じてしまい水は水道水をお願いしたのですが、「タップウォーターはご案内しておりません(キリ」と、なぜ英語に言い換えた?もぅマヂ無理。リスカしょ・・・。
パンが不味い。何時間前に焼いたんだと問い詰めたくなるほどパッサパサであり、口のなかパッサパサ!パッサパサだよ!
前菜盛り合わせ。「24カ月熟成パルマ産生ハム」は流石の旨さで酒が高いのが悔やまれる。「フルーツトマトとモッツァレッラチーズのサラダ」も美味しいですが、これは素材の勝利。「燻製したカジキマグロのカルパッチョ」は妙な生臭さが蔓延しており無理。
「当店名物ヤリイカのフライ」からは美的感覚を表そうという意図は感じられません。イカの味そのものは悪くありませんが、客単価が2万円近い飲食店の盛り付けとしてはだいぶアレです。
「お客様の目の前で仕上げるパルミジャーノチーズリゾット」については店員が無理くり我々の会話に入ってくるのですが、そのトークがびっくりするほどつまらないエレベータートークで閉口しました。
リゾットは米の炊き加減(?)が完璧で目が覚めるような美味しさ。手前の「自家製手打ちパスタのフェットチーネ ポルチーニ茸入りボロネーゼソース」は味が濃く肉もたっぷりであり酒を呼ぶ味わいなのですが、やはり飲み物の値付け(ry死んだ子の年を数えたら鬼が笑う。
「手長海老の炭火焼き」も単刀直入に旨いのですが、やはりこの盛り付けはどうにかならんもんか。友達とのバーベキューでもあるまいし。
「牛リブロースの炭火焼き ルーコラとパルミジャーノ添え」は肉質が悪く水分が飛んでおり、パンに引き続いてパッサパサです。これなら十番「スーパーナニワヤ」のローストビーフのほうが数段美味しい。
付け合わせのイタリア野菜はアンチョビの塩気がきいて上々の仕上がりでした。
デザートは10種類近くのラインナップからひとつを選びます。
連れは柑橘系の風味がきいたタルト。
私はチョコレートケーキを所望したのですが、想像以上の爆弾サイズであり、この日の摂取カロリーの半分以上はこのケーキ由来ではあるまいか。味は見た目通りの大味でした。
微妙オブ微妙なお店でした。アルコールの値付けの高さや盛り付けの杜撰さについては既に述べましたが、接客態度もあまり好きではありません。一見はフレンドリーではありますが実際のところはうわべだけであり、仕事のためにやっている感が透けて見えます。通路が渋滞するほどスタッフが多く、それらが全て価格に転嫁されていることを考えると無理オブ無理。BGMもすげえダサい。バブルの遺産とも言うべき店であり、ジェネレーションXと共に滅び行く運命にあるでしょう。
関連記事
イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- プリンチピオ ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。
日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。