ラ・ビスボッチャ(LA BISBOCCIA)/広尾

広尾駅から恵比寿三丁目の交差点方面へ。1993年オープンの老舗であり、「イタリア政府公認レストラン」に選ばれている「ラ・ビスボッチャ(LA BISBOCCIA)」。イタリア人の店員が多く、噂では聞いていましたが覚悟していた以上にボナセーラボナセーラと言われます。今あなたが想像しているよりもプラス5回は多く言われることでしょう。
席数は120とかなりの大箱。店内には来店した有名人の写真やサインがベタベタと貼られており品がありません。子供が走り回っているようなカジュアルな雰囲気であり、料理の説明の際にワゴンに満載した食材をプレゼンテーションするあたり、広尾「アッピア」を思い出しました。
酒が恐ろしく高い。何でもないスプマンテがグラスで1,700円であり、写真のアペロールのソーダ割なんて1,300円です。こんな値付けではどう考えてもビスボッチャ(宴)は不可能です。完全に心が閉じてしまい水は水道水をお願いしたのですが、「タップウォーターはご案内しておりません(キリ」と、なぜ英語に言い換えた?もぅマヂ無理。リスカしょ・・・。
パンが不味い。何時間前に焼いたんだと問い詰めたくなるほどパッサパサであり、口のなかパッサパサ!パッサパサだよ!
前菜盛り合わせ。「24カ月熟成パルマ産生ハム」は流石の旨さで酒が高いのが悔やまれる。「フルーツトマトとモッツァレッラチーズのサラダ」も美味しいですが、これは素材の勝利。「燻製したカジキマグロのカルパッチョ」は妙な生臭さが蔓延しており無理。
「当店名物ヤリイカのフライ」からは美的感覚を表そうという意図は感じられません。イカの味そのものは悪くありませんが、客単価が2万円近い飲食店の盛り付けとしてはだいぶアレです。
「お客様の目の前で仕上げるパルミジャーノチーズリゾット」については店員が無理くり我々の会話に入ってくるのですが、そのトークがびっくりするほどつまらないエレベータートークで閉口しました。
リゾットは米の炊き加減(?)が完璧で目が覚めるような美味しさ。手前の「自家製手打ちパスタのフェットチーネ ポルチーニ茸入りボロネーゼソース」は味が濃く肉もたっぷりであり酒を呼ぶ味わいなのですが、やはり飲み物の値付け(ry死んだ子の年を数えたら鬼が笑う。
「手長海老の炭火焼き」も単刀直入に旨いのですが、やはりこの盛り付けはどうにかならんもんか。友達とのバーベキューでもあるまいし。
「牛リブロースの炭火焼き ルーコラとパルミジャーノ添え」は肉質が悪く水分が飛んでおり、パンに引き続いてパッサパサです。これなら十番「スーパーナニワヤ」のローストビーフのほうが数段美味しい。
付け合わせのイタリア野菜はアンチョビの塩気がきいて上々の仕上がりでした。
デザートは10種類近くのラインナップからひとつを選びます。
連れは柑橘系の風味がきいたタルト。
私はチョコレートケーキを所望したのですが、想像以上の爆弾サイズであり、この日の摂取カロリーの半分以上はこのケーキ由来ではあるまいか。味は見た目通りの大味でした。
微妙オブ微妙なお店でした。アルコールの値付けの高さや盛り付けの杜撰さについては既に述べましたが、接客態度もあまり好きではありません。一見はフレンドリーではありますが実際のところはうわべだけであり、仕事のためにやっている感が透けて見えます。通路が渋滞するほどスタッフが多く、それらが全て価格に転嫁されていることを考えると無理オブ無理。BGMもすげえダサい。バブルの遺産とも言うべき店であり、ジェネレーションXと共に滅び行く運命にあるでしょう。


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