ウユニまとめ

旅行好きであれば一度は必ず憧れる観光地、ウユニ塩湖。ボリビアのアンデス山脈に広がる塩の大地であり、標高は3,700mと過酷。いわゆる写真のような「鏡張り」は雨季の水が溜まる時期に様々な条件(後述)がピッタリこないと見ることができないので、中々に難易度の高い旅行先です。


■Hotel de Sal Cristal Samaña(クリスタルサマーニャ)
https://www.takemachelin.com/2020/01/hotel-de-sal-cristal-samana.html
ウユニには2泊3日で滞在。旅行者のほとんどはウユニの街に滞在するのですが、われわれは街から離れた場所にある、塩で造られたホテルに滞在。壁を舐めると本当にしょっぱい。詳細は別記事にて


■列車の墓
本番の塩湖を訪れる前に、ウユニの街の周辺にある観光地をチェック。もともとボリビアは海に面していた国であり、塩や鉱物を列車で港へ運び輸出していたのですが、チリとの戦争に負けて海沿いの領土を取られてしまい海無し県となってしまい、列車たちもその役目を終えて打ち捨てられたそうです。
話だけ聞くと少し寂しいですが、空は高くカラっとした気候であり、そこにのんびりと横たわる列車たちはどことなく陽気に感じます。なかなか絵になる映えスポットでした。


■コルチャニ村
ウユニ塩湖の淵に位置する村。基幹産業は観光と製塩。土産物に混じってガチの塩がブロックサイズで並んでいます。
製塩所を見学。塩湖から塩を切り出し煮沸精製しパック詰めするという原始的な手法で塩が造られていきます。250グラムで30円程度と安く、ばらまき土産に最適なのですが、とにかく重い。ウユニ発着の航空機は機体が小さく預入重量が20kgまでと厳格なので悩ましいところです。


■ウユニの街
ウユニ塩湖への拠点となる街。空港から車で10分ほど。鉄道駅やバスターミナルもあり、陸路で来れないこともありません。数ブロック四方の小さな街に旅行会社やホテル、レストランなどがひしめき合い、妙に活気のある観光都市です。
地元民が利用するレストランを利用してみたのですが、メインディッシュがファミチキを超えることはできず、まあ、僻地とはこんなものなのかもしれません。スイカジュースは美味しかったかな。ボリビアは不思議と生ジュースを提供するお店が多い。加工して在庫するという技術に乏しく、そのまま絞って出してしまえという方針なのでしょうか。


■Hotaru(ホタル)
https://www.takemachelin.com/2020/02/hotaru.html
ローカルフードに見切りをつけ、日本料理と韓国料理を出すお店を訪れる。ボリビアには沖縄からの移民が多く、日系ボリビア人コミュニティー「オキナワ移住地」まで存在し、日本や沖縄の文化を重んじる姿勢が見られるそうな。詳細は別記事にて


■ウユニ塩湖
前置きが長くなりました。本題のウユニ塩湖です。南北約100km東西約250kmという岐阜県と同サイズの塩の塊であり、学術的に正確な表現では「塩原」だそうです。そのだたっぴろい塩原は高低差が100 km四方で50cm程度であり、「世界で最も平らな場所」とも言われています。
そのため雨が降ると水が薄く薄く広がるため、鏡のように空が映り込むという仕組み。言い換えれば、ウユニでなくても同じ状況はどこでも作り出すことができるらしいです。
見渡す限りの真っ白な平地であるため、観光客が自ら運転することはまず無理でしょう。きちんとガイドを雇って足回りのしっかりした車でドライブするのがよろしい。ガイドたちですら「遠くに見える山などは目印にならなくもないが、やはりGPSに頼ってしまう」とのことです。
ちょっと走っただけで、ほら、こんなに塩だらけ。あまりぶっ飛ばすと塩水が跳ねてラジエーターやら何やらの故障の原因となるため、塩湖の中ではスピードを出すことはできません。
そうそう、ウユニは「ダカール・ラリー(通称パリダカ)」の開催地でもあります。元々はパリとセネガルのダカールを繋ぐ世界一過酷なモーターレースだったのですが、アフリカという政情不安な地域を走るとテロやら地雷やら山賊やらの被害が思いのほか多かったため、似たような地形で比較的安全な南米に闘いの場を移したという経緯があります。ちなみに2020年からは中東での開催が予定されています。
閑話休題。この塩原は大昔にアンデス山脈が海底から隆起し、大量の海水がそのまま取り残されてしまい、蒸発と乾燥と凝縮を重ねて今の姿に落ち着いたそうです。ちなみに塩だけでなくリチウムの埋蔵量にも期待されており、日本の商社を始め世界中から熱視線が送られているそうな。
さて、キレイな「鏡張り」を楽しむ条件ですが、「雨が降った(過去形)」「無風」「晴れ」という、簡単そうでいて意外と難しい条件を満たす必要があります。水は多すぎても少なすぎてもダメ。
ちなみに「鏡張り」を有難がるのは日本人を始めとしたアジア人だそうで、欧米人はどちらかというと乾季における真っ白な大地を好むとのこと。そのため起用する旅行社はアジア人の利用が多いところにしましょう。何とか条件に合致する場所へと連れて行ってくれるはずです。
白一色の世界であり遠近感が狂うため、トリック写真の撮影スポットとしても有名です。が、これは正直どうでもいいですね。こんなこと、地球の裏側に来てまでやる必要はあるのでしょうか。ツアーに参加していたため付き合わざるを得ませんでしたが、正直死ぬほどダルく時間の無駄でした。
標高は約3,700mであるため日中の日差しは強烈。日焼け止めと帽子は必須です。が、夕刻からは気温がグっと下がり、夜や明け方は0度近くまで達するのでダウンジャケットなどの防寒具は必須です。
我々が訪れた際は月が煌々と輝いていたので星の美しさは中くらい。とにかく寒く、10分と車外に居ることはできませんでした。
つまり、どーでしょうかね、ウユニ塩湖は。確かに凄いっちゃあ凄いけど、私的には絵ハガキの域を出ず、日本から何十時間も何十万円もかけてまで来る価値があるかは疑問です。旅行好きたちがムキになって訪れて、こんなに苦労して来たんだから感動しないわけがないという強迫観念すら感じられました。自然に丸のまま任せるよりも、人間の英知が感じられる文明的な旅行地のほうが私は好き。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。