立飲ビストロシン(Bistro-SHIN)/目黒

目黒駅から権之助坂を下って数分。「目黒の飲食業界を変えた」とも言われる大人気のフレンチ「立飲ビストロシン(Bistro-SHIN)」。立ち飲みと銘打ってはいますが、予約のできるイス席も用意されています。我々は金曜夜に予約ナシで飛び込み20分ほど待って立ち飲み席を確保。1号店と2号店はすぐ近くにあって、「今あっちが空いたのでご案内します!」のように空き状況を融通してくれます。目黒駅すぐのビル「目黒セントラルスクエア」には3号店が。
分厚いメニュー表の他、壁一面には旬の料理がズラリ。常時100~200種が用意されているそうで、どの皿も千円以下であり、どんなに高い肉料理であっても2千円にはとどきません。これは通い甲斐のあるお店だ。店内は常に芋の子を洗うような大混雑であり、パリ6区「L’Avant Comptoir(ラヴァンコントワー)」のような盛り上がりが感じられました。
550円のグラス泡とお通し。このお通しはココットにギュギュっと詰まっており、その素材も一級品。グラスのサイズは小さめであり7~8杯取りに感じられたので、気になる方はボトルで注文しましょう。
リヨン風サラダ。新鮮な野菜の上に茹で卵とジャガイモをじゃんじゃん盛り付け、仕上げに厚切りのベーコンをぶちこみます。これはサラダというよりも肉料理であり、慌てて赤ワインを注文。
アナゴのフライ。肉厚で弾力のあるアナゴをシンプルに揚げ、タルタルソースをたっぷりと。臭みのないフレッシュでムチムチとしたアナゴの食感がたまらない。これは生ビールでガツンと行きたいところです。
牛ハラミのタルタル。「生肉なんで急いで食べきって下さい!」と店員から指導が入るのですが心配ご無用、旨いので秒で食べきってしまいます。そのへんの焼肉屋が提供する脂ぎったユッケとは一線を画し、マッチョで赤身推しな猛々しさ。
「調理に少し時間を頂きます~」とのお話だったのですが、他の皿が片付いたベストなタイミングで鴨肉とマイタケが登場。あんなに狭い厨房ながらオペレーション能力の高さに舌を巻く。素材の良さを率直に引き出し、シンプルに美味しいお肉ちゃん。テーブルクロスを敷いたレストランできちんと出せば、1皿で6,800円は請求できる質および量です。
上質な素材をシンプルに、はっきりした調味とポーションでズバンズバンと出してくれるお店でした。お会計はひとりあたり4千円と少し。コスパという言葉はこの店のためにあるのではないか。浜町「富士屋本店」に比肩する興奮が感じられました。あれもこれもと食べたくなってしまうので、必ず腹ぐぅで行きましょう。


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