自家製麺 MENSHO TOKYO/後楽園

都内のラーメン屋で私が最も愛するラーメン店のひとつ「麺や 庄の」の店主が手掛ける新業態。このお店のテーマ食材は何と「ラム(仔羊)」です。ピークタイムには断続的に行列が生じているので、時間に余裕をもって訪れましょう。
入店するとすぐに感じられる独特の香り。なかなかに動物臭く甘ったるい。ラムのゲンコツと豚骨をじっくり煮込んだスープを軸に、「ラム豚骨らーめん」「ラム煮干中華そば」「ラム豚骨つけ麺」「ラム煮干つけ麺」「脂そば」「まぜひつじ」「担々麺」などを展開。私は「ラム豚骨らーめん(全部のせ)」を注文。1,090円です。
着席後数分で着丼。ううむ、入店時よりもさらに強さを増した動物臭。アタックはラムの印象が強く、続いて重厚な豚骨が押し迫るという印象です。脂も多くドロドロとした口当たり。かなり好みが分かれるスープでしょう。個人的には味覚が多すぎて食傷気味に感じてしまいました。
麺は店内の製麺室で造る自家製麺。デュラム・セモリナを含んだ打ち立ての麺とのことですが、そのザラついた舌触りとバリバリとした噛み応えでやはり好みが分かれることでしょう。麺の香りも強く、仔羊・豚・小麦と香りが忙しい1杯です。で提供することが可能なのだとか。
テーブルには「生姜とカルダモンの甘酢スプレー」「ほうじ茶」「ミル胡椒」など興味深い調味料が置かれており、クセの強いスープに味変を仕掛け何とか完食。低温調理された肉やメンマなど美味しかったはずなのですが、やはりレーダーチャートで表現すればどのメモリもマックスな1杯なので食べ疲れてしまいました。
色々と書きましたが、これは個人の好みの問題であり、人に拠っては中毒性を期待できる挑戦的なラーメンです。今度はより羊味に的を絞った「まぜひつじ」に挑戦してみようかな。これなら真っすぐにラムに向き合うことができ、私の理解も進むことでしょう。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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