Élan.MIYAMOTO(エラン ミヤモト)/恵比寿

「シェ松尾松濤レストラン」の料理長を務めた宮本英也シェフが独立。絵を勉強するためにフランスへ渡ったことがあるという、面白い経歴です。「Elan」とは仏語で「創造・進化・躍動」の意。エクステリアがめちゃんこカッコイイ。
スタイリッシュなオープンキッチンが丸見えのカウンター席が6つのほか、空間を分けたダイニングにテーブルが数卓。こういった使い分けができるお店はありそうでない。我々はテーブル席に陣取ります。
ワインのペアリングがシャンパーニュを含んで5種5千円と良心的。気を良くした私は更に杯数の多いペアリングを所望したのですが、「料理の皿数と合わなくなるので5種のほうが良い」と、シェフは自らの売り上げを下げる提案。好きだなあ、こういう本質を追及する姿勢。
最初にこの日北海道から届いたばかりのホタテ。甘味と旨味が同居する鮨屋で出てきそうな個体であり当然に美味。周囲を彩る野菜たちも黄色に統一されており美しい。
パンが凝っている。カヌレ型に入れて焼いたブリオッシュにまさに今、生地を発行中のパン、金時イモを含んだ食パンなど、小さな個人店とは考えられないほどの拘りようです。
バターは発酵モノにクリームを混ぜてフワっとさせたもの。
続く前菜にカニ祭り。島根の紅ズワイガニとそのビスク。甲殻類の香りがプンプンに漂い胃袋が拡張します。ビーツや赤しそなど赤系統でまとめられた色彩もお見事。絵の勉強が活きているのかもしれません。人生に無駄なことなど何ひとつ無いのだ。
長崎の天然寒ブリ。マルゴット火を入れて肉厚にカット。ムシャムシャと食べる歓びが沸き起こります。また、このお皿は緑に寄せており目で美味しい食べて美味しい。
メインは青森のバルバリー鴨ロース。赤身がビンビンで噛み応えがあり、噛めば噛むほどに旨味が溢れ出てきます。紫に整えられたプレゼンテーションもお見事。実に紫式部な一皿である。
デザートはピンク。マスカルポーネを丸のままアイスに仕立てる、アーモンド風味のスープに浮かべます。見た目とは裏腹にコクのある1皿であり〆に苺の酸味で爽快感を出しました。
デザートに合わせた日本酒がマッコリ的微発泡な飲むヨーグルト風味であり個人的にツボ。アルコール度数は8%ですって。そんな日本酒あるんや。
お茶菓子にカヌレとオーガニックのカカオ(?)と用いたチョコフレーク。カヌレはちょっくら焦げてしまい苦味が目立ったのが玉に瑕。まあ、そういう日もあるでしょう。チョコフレークは市販品のものとは別物であり、サクサクと無限に食べ進めることができます。
飲んで食べてお会計はひとりあたり1.3万円ほど。ワインを5杯もつけてこの価格はリーズナブル。また、シェフ自らホールに立って料理やワインの解説をしてくれるのが凄く良い。調理についてはチームとして育っている自信の表れでしょう。次回は夜にカウンター席で、更に品数の多いコースにチャレンジしたいと思います。また、シェ松尾にもお邪魔したくなりました。きっと後進が立派に育っていることでしょうから。


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