ベンガルカレーファクトリー/神田

神田の裏路地でカルト的な人気を誇るバングラデシュ料理店。正午オープンで売り切れ仕舞い。夜の営業もある日とない日があって、遠くから訪れるには危なっかしいお店。昼に時間に余裕をもって訪れましょう。
私の知る限り世界で最も小さなカレー屋。カウンターは4~5席しかなく、背中から壁までの距離も中々の狭さです。元イタリアンの料理人であるマスターがワンオペで対応してくれます。食べログは3.81で百名店入りしています(2020年1月)。
「メニューはビリヤニ1種類しかなくて、必ずコーラが付くんですけど大丈夫ですか?」と笑顔で問うてくる店主。大丈夫もなにも選択肢はひとつしか存在しない。「コーラなんぞ食事に合わない」「炭水化物に砂糖水の合わせ食いはキツい」「これが本場のスタイル」と、このスタイルはネット上で賛否両論です。
赤い布を巻いたアルミの釜(?)から丁寧にビリヤニを盛り付けます。既に炊きあがっているものを盛り付けるだけなのですぐ着丼。「Haji biriyani」という料理であり、バングラデシュの高級米と山羊肉を100%用いたオールド・ダッカ・スタイルだそうです。コーラとセットで1,500円。
第一印象は釜飯。あっち方面の料理としては考えられないほどマイルドなスパイス使いです。骨付き肉の臭みも少なく、全体的に控えめな調味。不味くはないが、ネット上で絶賛されるほどのものかなあ、という印象です。私はこの手の料理の知識に乏しいため、細かな凄みがわからないのだ。
三軒茶屋「サンバレーホテル」の食体験に似ていました。これが本物であり本物に辿り着くためにはコスト負担は厭わない、という求道者向けのお店でしょう。パリの寿司屋で寿司ヲタクのフランス人に「本ワサビとはこうでなければならない」と説得されているような感覚。私はこのへんの料理について完全にアマチュアであるため、1,500円はものすごく高く感じるし、コーラも余計に感じました。コーラ抜きで880円ぐらいだったらまた行くかもしれません。一般人とはそういうものである。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。