元々は地下鉄料金値上げに抗議する学生らのデモだったのですが、いつのまにか「チリ暴動」と呼ばれるまでに発展。機動隊らが多数のデモ参加者を拘束したほか、地下鉄施設やスーパーマーケットなどが火炎瓶などで放火され死傷者が多数発生するに至りました。
セバスティアン・ピニェラ大統領は、チリ軍の出動と夜間外出禁止を含む非常事態を宣言したものの、暴動はエスカレートし100万人規模に。開催予定であったアジア太平洋経済協力会議・首脳会議は中止、COP25は開催国をスペインに変更するに至り、けっきょく大統領側が折れ、大規模な内閣改造を実施すると発表し収束。
幸い私が訪れた際はすっかりと落ち着いており、暴動の爪痕すら感じさせない平和な雰囲気だったので助かりました。
■概観
サンティアゴは東西40km、南北50kmにわたる大都市。空港からは車で1時間であり、街中は常に渋滞が発生しています。私は半日だけの滞在だったのであちこちには行きませんでしたが、本気で観光する方は地下鉄での移動を前提としたほうが快適でしょう。
スタバで休憩したのですが、椅子のひとつひとつにひったくり防止のベルトが備え付けられていました。スリやひったくりなどの軽犯罪が多く、みな、バッグはお腹に抱えるようにして持っています。リュックも当然に前がけ。観光客だからというわけではなく、一般市民が自然にそのような持ち方をしているのがある意味では恐怖です。
街には屋台が多く、カットフルーツや肉の串焼き、面白いところではハンバーガーの立ち売りもいました。一番の人気は麦が入ったピーチジュース。タピオカミルクティー的なノリで、老若男女が競うようにして飲んでいます。電化製品店の入り口すぐ近くに展示されているのは特大のスピーカーと、南米の爆音文化を垣間見た瞬間です。日本ではケータイやタブレットなのに。
新市街と旧市街があり、見どころが集中しているのは後者。今回は旧市街の観光スポットに絞ってのご紹介です。
■Holiday Inn Santiago Airport(ホリデイ イン サンティアゴ エアポート)
https://www.takemachelin.com/2020/01/holiday-inn-santiago-airport.html
空港直結のホテルはココだけ。75ドルの追加料金でアーリーチェックイン、翌日3時起きだから仕方がないか。詳細は別記事にて。
■Uber
Uberアプリならびに公式ウェブサイトには「使える」との案内がありますが、実際には違法。空港周辺はUberの取締官が常に巡回しており、それに見つからないようにダイナミックに待ち合わせ場所を変える必要があります。
ピックアップポイントを指定してもその場には来てくれず、Uber上でスペイン語でメッセージをやり取りしながら、待ち合わせ場所を取り決める必要があります。私は翻訳アプリを駆使しつつ挑戦してみたのですが、「○○のバス停からバスに乗って○○の駐車場まで来てくれ」と、指示され諦めました。普通の観光客は実質的には使えないと考えたほうが良いでしょう。
けっきょく我々はそのへんにいる白タクを利用しました。空港から旧市街中心まで20,000ペソと、何だよUberと対して変わらないじゃないか。最初からこっちを使えば良かった。「白タクはちょっと、、、」という方は普通のタクシーやシャトルバスなどを利用しましょう。
なお、市街地から空港へ向かう際は普通にUberを利用できました。が、空港近くで降ろすにはやはり難儀するようで、ドライバーは無線アプリ(?)を駆使し、空港にいる仲間たちと「今ドコドコに取締官がいる」「あの出入り口で見かけた」的な情報を常に交換しつつ、バレないようにササっと降ろす工夫が必要となります。後から知ったのですが、乗客も共犯となるそうです。
■中央市場(Mercado Central)
海岸線が長いチリは海産物の取り扱いが盛ん。中央市場は海産物の観光的な市場であり、観光客向けのレストランも多数入居しています。
https://www.takemachelin.com/2020/01/donde-augusto.html
場内にあるシーフードレストラン。市場の中で最大規模の飲食店であり、英語もそれなりに通じカードもOKと、観光客にとっては便利な店です。メインはアナゴのクリーム煮込み(?)。サンティアゴでは良くアナゴが食べられるので是非とも試してみたかったのです。いわゆる日本的な食べ方とは全く異なり、ヒラメなどの白身魚のムニエルのような調理でした。詳細は別記事にて。
■アルマス広場(Plaza de Armas)
旧市街の中心に位置する市民憩いの広場。この広場への道には露天商や屋台が軒を連ね活気に満ちています。それにしても暑い。この日は12月末で36℃であった。
■サンティアゴ大聖堂(Catedoral de Santiago)
チリ・カトリックの総本山。アルマス広場の北西に位置するのでセットで訪れましょう。
石壁が分厚く堂内はヒンヤリとして気持ちよかった。
■モネダ宮殿(Palacio de Moneda)
元々は造幣局として使用されていましたが、軍事クーデターの舞台となったことで一躍有名に。銃撃や空爆を受けボロンボロンになったそうですが、現在はキレイに修復されています。一般人は入ることができないのか、入ろうとするとセキュリティのオジサンに追い返されました。
■サン・フランシスコ教会(Iglesia de San Francisco)
由緒正しき教会のはずなのですが、外壁への落書きが酷い教会。この国の人々の宗教観はどうなっとるんや。日本人の信仰心は薄いですが、寺社仏閣に落書きなんか絶対にしないよなあ。
やはり石壁が分厚く堂内はヒンヤリ。宗教的というよりは、のんびりと椅子に座りながらスマホを操作したりと、涼みに来ている人が殆どでした。
■サンタ・ルシアの丘(Cerro Santa Lucia)
スペイン人征服者バルディビアが先住民と戦うために築いた要塞跡。今ではすっかり美しい緑の公園です。入場は無料。学生が授業後にピクニックに来ていたり、カップルがデートしていたりと牧歌的な雰囲気。
入園時に人数と国籍、どこから来たかをノートに記載するのですが、係員から「この中に今、日本人がふたりいるよ」との案内がありました。東京から来たサトウメグミさん御一行でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。