列に並んでいる際に注文を聞かれ、見切り発車で調理が開始されます。カレーの種類は多く季節モノ企画モノも散見され、ヒトのコンプリート欲を刺激します。私は初めての訪問なので、看板メニューの「牛すじ煮込みカレー」を注文。追加料金でルーを1.5倍に、肉を倍にしてもいました。ライスや辛さは増やしても追加料金は取られません。
店内は10席強と小さなお店。店内の至る所にカレーへの熱いこだわりが記載されており、例えば私が注文した牛すじ煮込みカレーは下記のように作られるそうです。
- 牛肉と鶏ガラ、たくさんの野菜を6時間煮込みスープをとる
- 30キロの玉ねぎをあめ色になるまで炒める
- 12種類のスパイスと2種類のカレー粉と小麦粉をバターで7時間炒めてルーを作る
- 牛すじ肉と大量の野菜を8時間煮込む
- 全部を合わせてコトコト煮込む
続いて鉄鍋(?)に入ったカレーが到着。グツグツボコボコと継続して煮立っており、なんて旨そうな地獄絵図なのでしょう。他方、昨今人気のスパイシーガンガン系のカレーではなく、香りはそれほど豊かというわけではありません。
見てください、この牛すじの量を。2倍量で注文しましたが、デフォルトの量であったとしても、そのへんの居酒屋の煮込みを凌駕する牛すじの量です。ホロホロとスプーンで崩れ口当たりがグッド。脂に臭みは無く甘味とコクがその存在を強く主張しており、素直に美味しい牛すじ料理です。
カレーそのものは玉ねぎ主体の家庭的な味わいであり、スパイスの魔術師的なカリスマ性は感じられませんでした。辛い料理が苦手な私が背伸びをして中辛を注文したのですが、汗を1粒をかくことなく感触。激辛推しの方は勇気をもってどんどん辛くしていきましょう。
お会計は1,400円と少し。カレーとしては高く感じますが、牛肉料理と捉えれば素晴らしい費用対効果です。また、これは私が欲張って色々と追加した結果であり、普通に注文すればどのメニューであっても1,000円でお釣りがくる設計となっています。牛すじがたっぷり入ったカツカレーが大盛り無料で税込み990円ってどんな慈善事業だよ。いいねえ、カレーはみんなのものだ。
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カレーって美味しいですよね。インドカレーも日本カレーも大好き。ただしそれほど詳しいジャンルではなく、スパイスマニアには逆立ちしても勝てないので、意外性のあるオススメカレーをご紹介。
- 酒肆ガランス/白金高輪 ←本格派。カレー屋は当店に修行しに来るように。
- ラ・ファソン古賀/代々木上原 ←予約必須。欧風カレーの最高峰。
- コチンニヴァース/西新宿五丁目 ←「なぜここに?」と住宅街に突如現れる本格派。
- SPICY CURRY 魯珈(ろか)/大久保 ←朝の7時から並ぶ必要のあるカレー。
- ケンゾーエステイトワイナリー /六本木 ←野菜が溶け込み甘さを感じる一方で、きちんとスパイスが立っている本格派。
- 香妃園/六本木 ←六本木で遊ぶのに知らないのはモグり。
- ホットスプーン(Hot Spoon)/五反田 ←カレーというより牛肉料理。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania)/目黒 ←これ以上の住宅街は無いというほどの住宅街にある名店。
- 東洋軒/赤坂見附 ←和牛の脂のコクが凝縮され、果物の甘味で包み込み、スパイスでキリリと〆るブラックカレー。
- カレー&オリエンタルバル 桃の実/水道橋 ←マトンカレーが実に奥行きのある味わい。
- ボンディ(Bondy)/神保町 ←アタックとしては甘味。続いて穏やかな辛味が到来するという仕様。
- スープカレー屋 鴻(オードリー)/神保町 ←豚骨の旨味がクセになるカレー。
- エチオピア/神保町 ←ルーが絶品。豆サラダと野菜が上々。
- ディラン/新お茶の水 ←意外にも家庭的でゆるふわな味わい。
- スパイスボックス(Spice Box)/神田 ←日本人の口に合う本格派。ボリュームが心底満点。
- 印度料理シタール/検見川 ←千葉の僻地で大行列の超有名カレー屋。
カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!