ヒロミチ(Restaurant Hiromichi)/恵比寿

ガーデンプレイスの目黒方面裏側にあるフランス料理店。ここが恵比寿かと思うほど静かな通り沿いにあります。
大きな窓からグリーンが飛び込んでくる気持ちの良い空間。小玉弘道シェフは青山「アンフォール」、モンペリエ「ジャルダン・デ・サンス」などを経たのち赤坂「シュマン」にて6年間シェフを務めミシュラン1ツ星を獲得。独立後もミシュラン1ツ星を堅持といった実力派。
ランチのデギュスタシオンはシャンパーニュ込みの3杯4,500円とリーズナブル。まずはコクのあるパイヤールで乾杯。
クルミとフルムダンベールのグジェール。塩気と旨味の強い青カビ系チーズの風味が先の泡によく合います。
紫芋のムースにキノコのコンソメジュレ。中にはウニが忍び込まれています。美味しいのですがやや甘味が強すぎるきらいがあり、序盤に食べるにはやや重苦しい気配がありました。
バゲットはごくごくシンプルなもの。全体を通してソースのはっきりした芸風であるため、これぐらいのシンプルなパンで拭うと丁度良いという仕掛けです。
フォアグラのポワレ。ネットリとしたフォアグラに甘めのソースを合わせるのは王道ですが、当店はマンゴーを用いているのが興味深い。クルトン(?)のカリっとした食感のアクセントも良かったです。
樽香のきいたブルゴーニュ。ハチミツのようなニュアンスが感じられ、先のフォアグラにピッタリでした。
お魚料理はカナダ産のオマール海老を春巻的な生地でパリっと頂きます。これは抜群に美味しいですねえ。オマールの美味しさは当然として、パートフィロ(小麦粉の薄皮)の食感との対比がすごくいい。濃いめクラシックなソースと共に、本日一番のお皿でした。
メインはザブトンのロースト。これはまあ、見た目通りの素材の美味しさです。トリュフが散らされていて一見豪華なのですが、香りとしてはそれほど印象的ではありませんでした。
合わせるワインはこれぞボルドーといった1杯です。
デザートはヴァローナのクーベルチュールを用いたフォンダンショコラ。スプーンを入れるとトロっとショコラがあふれ出し、バニラアイスと共に至福のひと時。
小菓子は綿あめにナタデココ入りのチャイと結構珍しい。ルイボスティーと共に優しい〆でした。
お会計はひとりあたり1.4万円とリーズナブル。料理もワイン選びもまさにフランス料理といったクラシックなチョイスであり、麻布十番「ラリューン」を想起させる構成でした。安定的で外さないフランス料理。まずはランチからどうぞ。


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