店名の「シノワ(Chinois)」の由来は17世紀以降ヨーロッパで流行した東洋趣味の美術様式「シノワズリ(Chinoiserie)」に由来。和洋折衷というかなんというか不思議なインテリアです。BGMはセフィロスでも登場しそうなコーラスがメインと、やはり不思議。また土地柄か妙にカジュアルな服装の若者や、港区よりも港区な歳の差カップルがいたりと、やはり不思議な客層です。
酒が安い。ボトルワインが5千円台からと絶対価格もさることながら、ちゃんとしたシャンパーニュが1万円を余裕で切ってきます。好きなルイロデが1万円だったのでゴキゲンな私。
アミューズはアボカドにトビコにクスクスと、当店流のタブレです。普通に美味しいので1皿のサラダとして食べたくなりました。
前菜3種盛り。トラフグのカルパッチョ(?)は思いきりの良い柑橘のソースがグッド。中央の茶碗蒸しは贅沢にイクラが用いられており素直に美味しい。右のテリーヌはサバの旨味と海老芋の滑らかな舌ざわりがベストマッチ。この時点で当店のシェフは相当な手練れと確信しました。
パンも美味しい。シンプルなバゲットはソースを拭うに最適であり、ブリオッシュ(?)のリッチなバター感もすごく良い。
私が選んだメインは真鯛のポワレ。ふっくらと立体的に仕上がっており、ムッチリとした食感に拍手喝采。シンプルな焦がしバターのソースも堂に入った味わいであり、ここ数か月で食べた魚料理の中でもトップクラスの味覚です。
連れが選んだメインはニュージーランド産牛みすじのシャリアピンステーキ。「安定して美味しいけれど、真鯛のほうが美味しそう」とのことでした。
オマケで付随するスペシャリテ(?)のフォアグラ丼。舌ざわりが滑らかなフォアグラを和風の甘辛いタレで仕上げ、もち米の上に盛り付けます。悪くないですが、少ししつこいかなあ。もう少しライトで爽やかな感じの調理のほうが私は好き。
私のデザートはヴァローナチョコレートのフォンダンショコラ。とろりと濃厚なチョコソースをこれまた濃厚なバニラアイスと合わせて頂きます。王道中の王道の味覚です。
連れは紅茶のプリンを選択。「安定して美味しいけれど、フォンダンショコラのほうが美味しそう」とのことでした。ダメだこの人、コメント力なさすぎる。
食後はルイボスほうじ茶を頂きます。うーん、これは無理にガッチャンコせず、普通にどっちかで良い気がします。
お会計はひとりあたり1万円と少し。1本シャンパーニュを飲んでこれはリーズナブルですねえ。皿数の少ないコースでしたが、シェフが凄腕であることはしっかりと感じられたので、次回はより高価で皿数の多いコースにチャレンジしたいと思います。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ)/西麻布 ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- メシモ(MECIMO)/小田原 ←重厚長大なレストランの裏をかく魅力的な設計
- ア・ニュ Shohei Shimono/広尾 ←リニューアルしてリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- マノワール・ディノ(Manoir d'inno)/表参道 ←料理は直球勝負。ワインは高くない。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。