家全七福酒家(SEVENTH SON RESTAURANT)/丸の内

香港の名店「福臨門酒家」が業態を変更し、新しいブランドとして「家全七福酒家」として再出発。香港から届けられる食材を用いた広東料理店です。
丸ビル36階という絶景。皇居はもちろん、東京タワー、レインボーブリッジ、富士山まで望めます。ただし直射日光が最強クラスに入り込み、ブラインドを下げても焼け石に水。肌は焼け熱中症の恐怖まで感じましたが、予約でいっぱいとのことで席は自由に移動できませんでした。
店員のほとんどは中国人(香港人?)です。異国情緒が感じられ楽しいのですが、日本語の意思疎通がちょっとアレな場合も多く対応も雑であり、これでサービス料を10%徴収するのはいかがなものでしょう。
前菜3種盛り合わせ。クラゲが新鮮(?)なのか何なのか、コリッコリッっと素晴らしい食感。煮凝りの出汁の旨味が素晴らしく、ほんのり温かいチャーシューは今年香港で食べたどのチャーシューよりも美味しかった。
スペシャリテの「フカヒレ入りスープ餃子」。これが最上級の上湯だと胸を張るだけあって、身悶えするほどスープが美味しい。フカヒレまあ、お飾りといった程度ですが、スープがあれだけ旨ければ文句はありません。
餃子と聞いて侮る勿れ、エビとカニがゴロゴロと詰まっており、こんなに豪華な餃子は初めてみました。エビは少し臭味が残り、上品なスープの中では悪目立ちするのが残念。
点心を3種選ぶことができるのですが、事前に見せられていた写真の半分の量で肩を落とす。そんな気分の中で食べる海老蒸し餃子の味わいは中くらいである。
小籠包の味わいは標準的。生地に透明度が無く厚さに波があり、食感があまり良くありませんでした。やはり「鼎泰豊」は偉大である。
海老入り春巻が絶品。思いきり高温で揚げられた外皮がバリっとした食感で食べる歓びを奏でてくれます。内部にはギュウギュウに詰まった海老海老海老。エビを多用するコース仕立てでしたが、このお皿がダントツで素晴らしく感じました。
和牛とキノコの牡蠣ソース炒め。肉への調味は悪くないのですが少し脂が強すぎるきらいがあり、無理に和牛を用いる必要は無いように感じます。他方、付け合わせのキノコや野菜の調理は完璧。主役を喰ってしまうほどの高品質。
きしめんのような麺を用いた焼きそば。美味しいことは美味しいのですが、そのへんの中華料理屋で食べる雑な焼きそばと大差ありません。
マンゴープリンや焼き菓子の味覚も凡庸。料理によって振れ幅がヒステリックなお店だなあ。
全編を通じて家賃と人件費の味がするお店でした。日差しは暑く環境とサービスは劣悪で、料理の味は良いものの量が少ない。あと数千円プラスすればマンダリン「センス」にて、同等かそれ以上のクオリティの点心を好きなだけ食べれることを考えると、ちょっと使い方が見えないお店でした。


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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

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