パンチマハル(Panchmahal)/神保町

「料理最高、接客最悪」と名高い神保町のカレー専門店。食べログでは3.76(2019年12月)と大健闘で、百名店入りも果たしています。
神保町駅から徒歩7~8分の半地下が入り口。ドアを開けるとチリンチリンと音が鳴るので、すぐに店主が人数を確認してくれます。私に対しては「あちらのカウンターへどうぞ~」、後ろの客に対しては「相席でもよろしいですか~?」と至って普通の会話が飛ぶ。誰だよ「接客最悪」とか言ったやつ。めちゃ普通じゃん。
店内はロックミュージックがガンガンに流れ、世界各国のお土産や阪神タイガースの応援グッズが飾られており、とりとめのない空気感です。店主は70年代のロックンローラーといった風情であり、さりげなくレッドツェッペリンにまじってもバレなさそうです。

さて、巷では「注文の多いカレー店」だと揶揄されていますが、客が守るべきルールと言えば
  • 指定された席に座る(相席)
  • 注文は店主が来るまで待つ
  • 水はセルフサービス
  • グループの食べ終わった皿はまとめる
  • グループのお会計はまとめる
これだけです。うーん、これ、別にルールというか1,000円以下のワンオペランチとしてはごくごく普通のことじゃないでしょうか。ラーメン二郎の高圧的な態度と呪文のような注文方式で鍛え上げられた私としては、別段いやな感情は湧きあがらず、むしろ効率を追求し待ち時間を最短化しようとする姿勢に好感すら覚えました。
さて注文後5分ほどで着丼。「キーマカレー」のライス大盛、950円です。このあたりのカレー屋は1,000円超えは当たり前という中、このボリューム感で1,000円を切るというのは素晴らしい企業努力でしょう。ベースのスープは同じのヌードルのメニューもありました。
ルーの粘度はサラっとしたを通り越したスープカレー状態。私は何系のカレーかと分析できるほどカレーは詳しくないので、めっちゃスパイシーなスープカレーといった表現が限度です。辛さのレベルは1を指定したのですが、それでも内蔵がひりつき汗が噴き出してきたので、辛味に耐性のない方はレベル0で充分でしょう。
ライスはやや硬めに炊かれており、クミンシードの風味がきいています。アチャールはみじん切りされており食べやすい。ショウガの風味も味変用にちょうど良し。スープには細く挽かれた鶏肉がたっぷりと浸かっており、トマトの角切りの爽やかな風味もよく合う。
途中、女1男2のスイーツ系学生グループが「すいませえええーーーん!」と店内から店長を呼びつけ気温が2℃ほど下がりいよいよ戦争だと身構えましたが、店主は涼しい顔で「手が空いてからうかがいまーす」と至って普通の応対。個人的には東向島「黒かどや」級のパンチを期待していたのに拍子抜けです。
人は鏡、万象はわが師。常識的なマナーさえ守れば安くて美味しいカレーにありつけます。


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