亀戸ホルモン/恵比寿

ホルモン激戦区の亀戸を制した店として名高い「亀戸ホルモン」が満を持して恵比寿に出店。本店は待ち行列50人超え2時間待ちのこともあるのですが、ここ恵比寿店は狂気とも言うべき待ち順列が生じることは少なく、普通にチラホラ空いています。ビルはワンオペフレンチの王者「mori(モリ)」の1階ね。
いらっしゃいませも言わずに2時間制・現金のみとつげ、着席前に飲み物の注文を取るなど店員はぶっきらぼうの極みではありますが、そもそも客単価数千円の安いホルモン屋で多くを望んではならず、ある種の爽快感すら感じる段取りの良さだったので好感が持てました。人は実は命令されるのが好きなのだ。
秒で提供される生ビール。中ジョッキといいつつ小さめサイズなのは気になりますが、恵比寿の飲み屋で500円かそこらで飲めるのだから文句は言うまい。
肉の準備が整うまでにツマミで時間を潰します。コチラは「ガツポン酢」。豚の胃袋にポン酢をシャバダバさせスッキリサッパリ頂きます。下処理が上手く施されており臭味などは無く、たっぷりの量も相まってのっけから大満足。
「煮込み」は350円という大盤振る舞い。味も量も確かであり、ホッピー通りの雑な煮込みとは次元の違う美味しさが感じられます。ホルモンだけでなくコンニャクやタケノコ、ネギもたっぷり。濃い味の味噌もバッチグー。
上ミノ。なんて美しいミノタウロスなのでしょう。牛の胃袋とは思えないほどピカピカに輝いており、その見た目通りクリアで清澄な味わい。
塩ホルモン入門3点盛。左から豚タン、ホルモン、ハツ。豚タンは旨味こそ薄いもののムシャムシャと食感を楽しむ部位。ホルモンは小腸にあたる部分であり、コテコテとした脂にトロトロとした食感。ハツはひょいと表面だけを炙って乙な味。
脂の多い部位を焼くと当然にファイヤーするのですが、脇に置かれた氷を網に置けばすぐに鎮火されます。網も言えばすぐに交換してくれ、とにかく従業員の手際が良い。
「豆もやし」はラーメン二郎もかくやと思わせるタワー盛り。強い塩気と程よい油で絶妙な箸休めです。ライスの代用にもなり得るため必食の一皿です。
「ミックスホルモン」を味噌ダレで注文。何の部位が入っているのかを尋ねると「色々。その日によって違う。ミックスミックス」と嫌いじゃない雑さ加減です。新鮮なホルモンに名古屋も顔負けのコテコテ味噌味。実に暴力的な味わいでありビールの消費が止まりません。これで1皿1,550円なんだから最高の酒のツマミじゃないか。
〆はコムタンスープの白(塩味)を注文。美味しいのですが、600円という価格設定は他のメニューに比べると割高に感じました。もちろん他の料理たちの費用対効果が良すぎるだけであって、普通に美味しいコムタンスープに罪はありません。
お会計はひとりあたり4~5千円ほど。これはリーズナブルですねえ。同じクオリティの焼肉を十番~六本木界隈で食べれば倍請求されてもおかしくはないでしょう。デートの余地は全くなく、気の置けない仲間たちとワイワイムシャムシャやりたいお店。空席を見つければ脊髄反射で飛び込みましょう。オススメです。


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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。

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