カカオティエ ゴカン(Cacaotier Gokan)/北浜(大阪)

有酸素中毒の女の子から「せっかく近所に住んでるんだし、一緒に皇居ランしようよ」とお誘いを受ける。自転車や水泳にはなじみ深いのですが、まともに走るのは高校のマラソン大会ぶり(しかも雑に取り組んで360人中300位ぐらいだった気がする)です。
ちょうどその時、アマゾンのタイムセールが開催されていました。ランニングシューズの相場は全く存じ上げないのですが、きちんとしたブランドのものが4千円台ってのは悪くない気がしてそのままポチりました。「え?4千円?ちゃんと走るなら1万円~ってところだと思うけど。あたしはそういうシューズを3足でローテーションしてる」ランニング業界も奥が深い。
自宅から皇居までは約4キロ。皇居は1周約5キロ。復路は再び約4キロのトータルで13キロ。これまでの人生における最長距離は高校のマラソン大会の9キロだったので、いきなり1.5倍の人生最長距離を走ることになります。何かあった時に電車かタクシーで帰れるよう、ポッケにパスモと5千円札を忍ばせておくのを忘れずに。
「今日は祝日だから空いてるね」あきらかに私に歩調を合わせて余裕しゃくしゃくの彼女が語る。ちなみに平日のゴールデンタイムは目も当てられないほどの混雑ぶりらしいですが、終電が無くなると途端にガラ空きとなり、警察しかいなくなるらしいです。
「そうだ、プレゼントあるからココで待ってて」クールダウン後、小走りに自宅へと駆けていく彼女。戻ってきたその手には豪華な紙袋に入ったショコラ。大阪は北浜の名洋菓子店「五感」がチョコレート専門店として手掛ける「カカオティエゴカン」の、とにかくカカオに拘るビーン・トゥ・バーのショコラです。
「カカオティエ」を標榜するだけあって、ショコラそのものの味わいが秀逸。コロンビア産シングルオリジンのボンボンはドライフルーツのような凝縮感のあるコクに円みのある酸味、大人の苦味。日本のショコラティエとしてはトップクラスの味覚です。
ベトナム産カカオのタブレットに絶句。華やかな香りに勢いのある酸味、全体として焦げたようなニュアンスのある香ばしい香り。これは旨い!かなり振り切った斬新なショコラです。正直驚きました。

自宅に戻りものの15分で全てを平らげてしまいました。カロリーで計算するとプラスマイナスややプラスくらいでしょう。美食とはそういうものである。


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