ホテルのようなエントランスで驚き。ウォークインでも入店できるようですが、かなりの待ち客が生じていたので予約しておいたほうが無難です。なお、高校生未満は入店NG。
席数は220と深刻な広さです。それでも席の間隔には余裕があり、2人でお邪魔しても4人テーブルをたっぷり使わせてくれたりと気前が良い。従業員の動きもテキパキと素晴らしいので、行列を抜けた入店後はおよそストレスとは無縁のお店です。
ドリンクメニューを見ると妙にワインが揃っていたのですが、やはりもつ鍋のような暴力的な味覚にはビールが似合う。中ビンで600円とお買い得です。
アルコールを注文した客にはひとりあたり300円のお通し代金を請求する謎のルールが存在します。「水でいいです」なら課金ナシで、利益率の高い酒を注文するありがたい客に更に請求するのはなぜでしょう。しかしながらこの枝豆は結構美味しくコレが300円で食べれると考えれば案外割安かもしれません。
「酢もつ」と言えば十番「おにまる」が一番と考えているのですが、当店のそれは芸風が全く異なり、野性的というか肉々しいというか、ムシャムシャとマッチョな味わいでこれもまた一興です。量もたっぷり。
主題の「牛もつ鍋」。本場博多のもつ鍋は澄んだ出汁であっさりとしている、というような話を聞いたことがあったので醤油味を注文したのですが、後から知ったことには当店に限っては味噌が推しとのこと。それでも白濁するほど様々なエキスがスープに溶け込んでおり、単なる牛骨スープのラーメンでも食べているのではないかと思うほど濃厚な味覚です。
お野菜もたっぷりで、ゴボウがその多くを占めているのが当店の特長でしょう。更にはコンニャクも入っており、もつ鍋としては一風変わった具材です。
モツの追加は1,700円。おそらく100~200グラム程度でありちょっと高いかなあとも思いますが、脂の迫力が厚いため充分におなか一杯になりました。プリプリとした食感で臭みは全くなく、食べ飽きることのない上質な味わいです。
〆には「ちゃんぽん」を注文。1玉300円と安く量はかなり多い。太目の麺には程よい噛み応えがあり、濃厚なスープにぴったりです。東京のもつ鍋は妙に割高だと感じた瞬間でした。
上記を食べ、ふたりでビールを2本飲んで8千円チョイでした。格安か。入店時に「からしめんたい」に心を惹かれたものの1,000円という価格設定に「結構お高い店なのかもしれない」とビビってしまいましたが、これだけの料理でこの支払金額であればお得と言えるでしょう。これならもっとツマミ系も注文すればよかったなあ。次回は4~5人で訪れて鍋は2色・ツマミは全制覇を試みてみたいと思います。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。