わずか8席のカウンター。鮨屋のような雰囲気でもあり、注文後、大将が1枚1枚丁寧に豚肉を叩き、卵や衣を漬け、揚げていきます。
注文してから着丼まで結構な時間を要するので、ビールをお供にのんびりしましょう。角煮やきんぴら、ポテトサラダなどすぐ出せるツマミなどもオプションで用意されています。
我々はセット(?)のお漬物でちびちびとやります。なんやかんやで15分以上待つこととなり、ビールは2本目へと突入しました。
「上ヒレカツ定食」は2,200円。外皮はサクサクとした食感の極みであり、一口噛みしめるたびに笑みがこぼれます。内部は箸で避けるほどのタッチであり、肉そのものの味が旨い。思わず無言になる美味しさです。
左奥にある球状のものは「メンチトッピング」。なるほどメンチカツとしては最上級の美味しさですが、60グラムで別途500円というのはちょっと高いかな。
「上ロースかつ定食」は2,100円。ヒレカツの衣は毛羽立った仕様ですが、コチラはしっとりと肉にそうように貼られています。ヒレカツに比べると脂が多くジューシーでミルキー。やはり肉そのものが旨い。連れと半分こし、私はロースのほうが美味しく感じたのですが、連れはヒレカツのほうが好きとのことだったので、まあ好みは人それぞれ。
ライスは一般的な定食屋のそれと同等であり、量はやや多め。
お椀は豚汁。豚肉のエキスはもちろんのこと、魚のお出汁というかなんというか、複雑な風味を感じました。別料金でも良いから具材をもっとテンコ盛りにして欲しいな。
卓上の調味料群。肉そのものが旨かったので、私はそのほとんどを塩で頂きました。中央のドレッシングはキャベツ用。キャベツは1回おかわり無料なのですが、元々の量が結構多いので、今回はおかわり断念。次回は定食じゃなくて単品で注文し、ライス代わりにキャベツをたっぷり食べようかな。
店主は多事多端にも関わらず終始朗らかで笑みを絶やさない。トンカツ屋としてだけでなく、他の業態であっても大成していたことでしょう。気の良い料理人は何を作っても美味しいものだ。
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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構効高価だわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。
- とんかつ マンジェ/八尾(大阪) ←とんかつの聖地。私のとんかつ観を変えた店。
- もち豚とんかつ たいよう/武蔵小山 ←気の良い料理人は何を作っても美味しいものだ。
- 成蔵(ナリクラ)/高田馬場 ←げに恐ろしきかな食べログ1位。
- とんかつ都/麻布十番 ←無名ですが実力派。肌理の細かい衣が特長的。
- ポンチ軒/新お茶の水 ←肉がミルキー。行列が短いのもグッド。
- とんき/目黒 ←都内屈指の老舗。16:30には行列が。
- 豚組(ぶたぐみ)/西麻布 ←西麻布のオシャレとんかつ。味も最高峰。飲み屋として使うのも良し。
- 豚組食堂/六本木 ←豚組のセカンドライン。ヒルズ内かつ通し営業と使い勝手良し。
- のもと家/大門 ←売り切れ必至。大門の超人気店。
- 檍(あおき)/大門 ←蒲田の超人気店がとんかつ激戦区、大門に進出。
- 丸五/秋葉原 ←ミシュランのビブグルマン(安ウマ店)をゲットしており、秋葉原の観光も兼ねて外国人にも大人気。
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とんかつを「超一流の大衆料理」として、グルメ業界の重鎮たちがひたすら議論を重ねる本。よくもまあとんかつでこれだけ語れるなあと呆れます。ここに記された「殿堂入り」のお店はさすがに外しません。