スヰートポーヅ/神保町

B級グルメ激戦区の神保町。飲食店が密集するすずらん通りにある1936年創業の餃子専門店「スヰートポーヅ」。初代は中国に餃子の修業に出た後に満洲国大連で餃子店を開業。日本への帰国と共に移転(?)したのが当店です。現在は3代目。印象深い店名は「おいしい包子(パオズ)」という意味であり、イギリス人っぽい表現です。
レトロというか何というか、使い込まれた椅子からはスポンジがはみ出しており、平たく言うとボロい店内です。一応4人掛けではありますが、男子4人だと厳しいかも。相席が前提のお店であり、見知らぬ人と向かい合って餃子を貪り喰う様は酷くシュールです。
メニュー構成は至ってシンプル。オカズは焼餃子・水餃子・天津包子の3種であり、それにライスや味噌汁をつけるかどうかといった選択肢です。ボリュームディスカウントも無いため、ある意味フェアに料理を選択できるのが良いですね。焼餃子は持ち帰りもできます。
餃子を全種類単品で注文すると、まずは水餃子が登場。これは、旨い。アルデンテに茹で上がった生地がモチモチと美味しく、まるで上質なイタリア料理を食べているかのような美味しさです。
続いて焼き餃子。粗めに挽かれた豚肉の食感が良く、生姜の香りが鳴り響く。ただしニンニクが入っていないためパンチはやや弱い。下味がしっかりとついているので、タレなどつけなくても充分に楽しめるでしょう。
そうそう、当店の焼餃子の形状は少し変わっていて、具の全てを包まず真ん中で留めただけの棒状になっています。サイドから肉汁が漏れてしまい、小籠包的なジューシーさが感じられないのが少しもったいない。
天津包子。生地の薄い肉まんといった仕様であり、やはり生地が美味しいです。
餡は焼餃子とは異なりシイタケやタケノコなどがたっぷりと加わり、ザクザクと食べ応えのある食感です。やはりタレなどは不要であり、具材の旨味を楽しむ逸品。

昼夜共にピークタイムは行列する人気店だけあって美味しかった。ひとり客が多くパっと来てササっと食べて帰るというハードボイルドな雰囲気であり、のんびりおしゃべりという感じではありません。中華風ファストフードのつもりで訪れましょう。


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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

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