レトロというか何というか、使い込まれた椅子からはスポンジがはみ出しており、平たく言うとボロい店内です。一応4人掛けではありますが、男子4人だと厳しいかも。相席が前提のお店であり、見知らぬ人と向かい合って餃子を貪り喰う様は酷くシュールです。
メニュー構成は至ってシンプル。オカズは焼餃子・水餃子・天津包子の3種であり、それにライスや味噌汁をつけるかどうかといった選択肢です。ボリュームディスカウントも無いため、ある意味フェアに料理を選択できるのが良いですね。焼餃子は持ち帰りもできます。
餃子を全種類単品で注文すると、まずは水餃子が登場。これは、旨い。アルデンテに茹で上がった生地がモチモチと美味しく、まるで上質なイタリア料理を食べているかのような美味しさです。
続いて焼き餃子。粗めに挽かれた豚肉の食感が良く、生姜の香りが鳴り響く。ただしニンニクが入っていないためパンチはやや弱い。下味がしっかりとついているので、タレなどつけなくても充分に楽しめるでしょう。
そうそう、当店の焼餃子の形状は少し変わっていて、具の全てを包まず真ん中で留めただけの棒状になっています。サイドから肉汁が漏れてしまい、小籠包的なジューシーさが感じられないのが少しもったいない。
天津包子。生地の薄い肉まんといった仕様であり、やはり生地が美味しいです。
餡は焼餃子とは異なりシイタケやタケノコなどがたっぷりと加わり、ザクザクと食べ応えのある食感です。やはりタレなどは不要であり、具材の旨味を楽しむ逸品。
昼夜共にピークタイムは行列する人気店だけあって美味しかった。ひとり客が多くパっと来てササっと食べて帰るというハードボイルドな雰囲気であり、のんびりおしゃべりという感じではありません。中華風ファストフードのつもりで訪れましょう。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 倶楽湾(クラワン)/田町 ←あの水煮牛肉の美味しさは確か
- 味覚/虎ノ門 ←世界一辛い麻婆豆腐
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- チャイニーズレストラン直城/高輪台 ←空間の居心地の良さや総体的な美味しさには価値がある
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン
- 蓮香居(Lin Heung Kui)/上環 ←好きなものを好きなだけ食べているのにも関わらず、ひとりあたり1,000円と少しという驚異の費用対効果
- 唐閣(T'ang Court)/尖沙咀(香港) ←3ツ星の料理がこの価格帯で楽しめるのは実にリーズナブル
- Shang Palace(香宮)/尖沙咀(香港) ←ミシュラン星付きの飲茶でこの値段ならまあまあ
- 杭州酒家(Hong Zhou Restaurant)/湾仔 ←1杯3,000円の蟹味噌あんかけ麺