今回は作戦を変え、13:30から並び始めました。すると13:45に入店することができるという奇跡。ただしこの戦法だとシャリ切れでランチ終了というトラップもあるので難しいところです。ちなみに夜のコース料理(6,000円)を注文するのであればランチタイムも予約可能です。
名刺代わりに出されるシジミの一番出汁。シジミよりもシジミの味がする、魔法にでもかけられたような凝縮感があります。テクマクマヤコンかよ。ちなみにテクマクマヤコンは「テクニカル・マジック・マイ・コンパクト」の略ですこれ豆な。
めかぶ。これはまあ、普通のめかぶですね。6月に1回、7月に2回、8月に1回沖縄を訪れる最近の私としてはめかぶには一家言あるのだ。
金目鯛。1カン目がこれとは珍しい芸風ですが、この時わたしは空腹の頂点にいたため悶絶するほど美味しく感じました。
ヒラメの昆布締め。濃密な旨味。ちなみに当店はシャリを数種類使い分けており、そのいずれもがはっこく級に小さいのが特徴。小食な方でも余裕で食べ切ることができるでしょう。
ミズダコ。タイラギをそうするように表面をチェック柄で彩ります。身の裂け目が舌に貼り付きミッチリと甘味が感じられました。
湯葉の豆腐は通常のそれよりも濃厚な味覚。いや豆腐も湯葉も大豆やろと思うところですが、どうやら湯葉豆腐というのは「湯葉用の豆乳を使って造った豆腐」という意味だそうな。ゴーヤのお漬物は苦味が抑えられ滋味だけが強調され、にわか沖縄通の私も納得の味わい。
シメサバ。締まりは淡く新鮮な食感を残した味わいであり私好み。
イクラは軍艦ではなく小さな丼で。一般的な軍艦2~3個分はありそうであり、勝どき「はし田」もかくやと思わせるイクラの量でした。
赤身のヅケ。これは相当漬け込まれているのか完全に変色しています。味は悪くないのですが、若干食欲が失せる外観でした。
アワビ。ギャフン、何ですかこの量は。それなりの店であればこれだけで3,000円は突破しそうなポーションです。カットは大ぶりであり、食感も味わいも申し分なし。日本酒が欲しくなる。
大トロの炙り。タレ(ジュレ?)はニンニク醤油でしょうか、やや品のない調味であり、もう少しマイルドに攻めたほうがマグロも喜ぶというものでしょう。
ラミパスラミパスルルルルル~。先のシジミが形となって発生しました。何でしょう、この量は。あまりにシジミが多すぎてスープを飲もうとすると鼻先から貝殻が雪崩となって落ちてくる。ちなみにラミパス~は「スーパーミラー」の逆さ言葉です。
ムラサキウニ。味は間違いなく美味しいのですが、見た目というか提供の仕方についてはもう少し考えて欲しいところ。テーブル席のゲストにはお皿に盛っていたので、カウンター席にもその選択肢を用意して欲しかった。
ネギトロも手渡しですが、海苔で巻いてあれば印象はかなり違います。ネギは玉ねぎでしょうか、食感が大きくシャクシャクと新しい体験。
ギョクはやや甘味が強いもののカステラ的な味わいではなく、どっちつかず。個人的には旨味の強い玉子が好きなのです。
穴子そのものは良いのですが、ツメが雑。先の大トロの炙りと同様、当店の調味についてはもう少しマイルドだと嬉しい。
カンピョウ巻きはシャリが少な目でカンピョウと海苔を食べているかのような錯覚。
食後は種なしの巨峰が2粒。これは若干みみっちく、無くて良いかもしれません。
以上、みっちり食べて、食事代金3,000円に消費税がついて、本当に3,240円で済みました。体感的には5,000円を超えるクオリティであり、恐るべき費用対効果です。まさに満点。当店を嫌いな人は世の中に存在しないでしょう。
もちろん待ち時間が読めないのは玉に瑕ですが、ある意味、丸の内で働いておりランチタイムに裁量がある方には打ってつけのお店。最初から並ぶつもりでゲームボーイなど持参の上で訪れましょう。オススメです。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- 鮨さいとう/六本木一丁目 ←価格設定に色々と考えさせられる。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 鮨水谷/銀座 ←その先入観を完全に覆す、鳥肌が立ち涙が出るほどの美味。
- 紀尾井町 三谷/永田町 ←単純計算で年間3億円近い売上。恐ろしい鮨屋。
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 安吉/博多 ←お会計は銀座の半額。ミシュラン2ツ星は荷が重いけれども、この費用対効果は魅力的。
- ひでたか/すすきの ←鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店。
- 鮨 田なべ/すすきの ←フォアボールで出塁した感じ。
- 鮨 志の助/新西金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 太平寿し/野々市(石川) ←金沢の人が東京で鮨を食べると頭から湯気を出して怒るに違いない。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。