カウンター席がメインのオープンキッチンで、少し段差があってテーブル席という変わった構造のお店。屋号の「シャントレル」はキノコの一種であり、店内はキノコのオブジェやペイントに満ちており、料理もキノコに関連したものが多い。
盛夏真っただ中のためワインはパスしてビールで乾杯。ところでサービスの男女の衣装がちょっと謎。長袖シャツでネクタイは締めているのにも関わらずジャケットを着ることはなく、ランチタイムに外に出た課長のような服装です。しかもシャツが背中からちょっとだけ出ており課長感が増すことこの上ありません。
アミューズはスモークサーモンのリエットにキノコのクロックムッシュ。キノコのクロックムッシュが良いですね。当店のエスプリを詰め込んだ一口でコースを開始させる。
続いて届いたのはキノコのお茶。キノコを数時間煮出して抽出したエキスだそうな。森の風味豊かな味わいです。
アナゴのベニエ。サッパリと揚がっておりどこまでも軽い一皿。穴子の味わいはもちろんのこと、下に敷かれたピュレの風味が名脇役。なのですが、料理を提供するテンポはとても悪い。厨房にワラワラと料理人が溢れているのに、あおり運転したくなるほどのスピード感の悪さです。
パンの味わいは中くらいですが、中々お料理が出てこないのでバクバク食べてしまいます。
カツオをマリネし、新玉ネギやニンニクを用いて調味します。スッキリとした味付けにマッチョなカツオの味わい。パクチーの清涼感もバランス良し。本日一番のお皿でした。
お魚はスズキ。オリーブを刻んだソースが独特の味覚を醸し出し大人の味わいです。トウモロコシのシンプルな味わいも心和らぐ。
メインはアイルランド産の赤身肉。付け合わせのキノコやソースはかなりのレベルなのですが、肉そのものがあまり美味しくありません。グニグニと噛み切れない食感ながら旨味には乏しい。
デザートはチョコレートのテリーヌなのですが、マッチ箱半分ほどの大きさでありストレスが溜まるポーションです。味は良いだけに勿体ない。
小菓子はグッド。密度のあるメレンゲにヘーゼルナッツの濃厚なクリームがベストマッチ。
コーヒーは酸味も深みにも乏しく印象に残りづらい1杯でした。
料理は全て美味しく私の好きなベクトルなのですが、いずれもポーションが小さいのが気になりました。成長期の私にとってはあとプラス2周は食べれるであろう栄養価の少なさです。各皿の量が少ないから秒で食べ切り、次の料理まで間延びするのかなあ。
加えてシェフが客に対してタメ口なのも気になりました。常連客にとっては居心地の良いお店かもしれませんが、一見客にとってはちょっとびっくりする客あしらいです。接待などでは確実に失礼にあたるので、お友達と訪れるべきお店でしょう。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- ラフィナージュ(L'affinage)/銀座 ←王道中の王道。銀座とは考えられない値付け。
- ル・マノアール・ダスティン/銀座 ←まさに正統。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人。
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店。
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える。
- クレッセント/芝公園 ←グランメゾン中のグランメゾン。
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←世界を狙える日仏料理。
- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事。