観光で宜野座村を訪れる方は阪神ファンぐらいでしょう(宜野座はタイガースの毎年のキャンプ地)。私は一度、仕事で訪れたことがあるのですが、その際は宿泊施設がなく往生し、わざわざ西岸のリゾートエリアからタクシーで通っていました。それぐらい、何もないエリアです。
車はもちろんバレーパーキング。荷物を預け、エントランス棟からゴルフカートに乗ってレセプション棟へと向かいます。三角屋根のロビーから望むコバルトブルーの太平洋はまさに絶景。
ウェルカムドリンクとして冷たいさんぴん茶(ジャスミンティー)とプリンが供されます。バニラの風味が濃い生地に、宜野座のサトウキビを用いた黒糖ソースが信じられないほど美味。
今回は5人でお邪魔したので2-3に部屋を分かれ、私は3の方です。客室数は19とスモールラグジュアリーの典型。
部屋はベッドエリア、リビングエリア、バスルーム、テラスと大きく4つに分かれており、恐らくは100平米以上あるでしょう。新ピカのスタイリッシュなホテルというよりは、木を多用した温かみのある内装です。
私のエキストラベッドはリビングエリアに置かれました。あまり大勢で訪れることを前提としていないので、グループで滞在するには難度の高いホテルです。が、こんなにオシャレなエキストラベッドは見たことがありません。寝心地はフニャフニャとあまり良くない。
寝室。試しにゴロンさせてもらったのですが、やはり柔らかいベッドであり、あまり私の好みではない。個人的にはウェスティンなどの硬めのベッドが好きなのです。
バスルームへと移動。湯舟の窓は開閉することができ、そこからテラスひいては海まで見渡すことができます。
洗面台は特大サイズが丸々ふたつ。アメニティは全てブルガリで統一されていました。
お手洗いはフルオートのピカピカタイプ。高級レストランのそれと同等の仕様です。
クローゼットは広く使い勝手が良い。バスローブ、パジャマはもちろん、水遊びをする際のお洋服、島ぞうり(ビーチサンダル)まで用意されています。
化粧台?ライティングディスク?その他の設備とは独立して置かれています。
リビングに戻ってきました。ちなみにこのヴィラの構造は複雑で、建物内で大きな段差があります。リビングが地上階で、半階ほど登ってベッドルームやバスルームがあるという仕組みでした。
コーヒーや紅茶、お水などはご自由にどうぞ。足りなくなれば補充してもらえます。
冷蔵庫の中の飲み物もフリー。左上のマンゴーならびにリンゴのジュースが滅法旨い。あまりに濃厚で炭酸で割ってちょうど良いレベルです。
テラスに出ましょう。デイベッドにジャクージ。このデイベッドは最近のリゾートホテルで流行っているらしく、トキメキな瞬間です。ジャクージは心地よいのですが、夜に使用すると虫がワラワラと寄って来、網ですくい続けなければなりません。
16時~はカクテルタイムということで、ロビーで泡盛が振舞われます。度数50を超える古酒ながら口当たりは実にマイルド。ソーダで割ると香りが広がりスイスイと飲めてしまいます。飲めない方にはノンアルコールのカクテルも。
ビーチに出ます。手つかずと言えば聞こえは良いですが、自然むき出しの整備されていないビーチであり、石などがゴロゴロしています。ガチでバリバリに泳ぐというよりは、足をつける程度の海でしょう。
泳ぎたい、もしくは水辺でゴロゴロしたい場合には自慢のインフィニティプールを利用しましょう。自然に囲まれたプールはマリーナベイサンズのそれとはまた違った趣が。加えてこの空きっぷり。ハイシーズンの土日を絡めた宿泊ですら貸し切り状態でした。
遅れてひとりが合流。那覇市内からタクシーで1万円強でした。
さてお待ちかね、レストラン棟へと移動し夕食です。詳細は別記事にて。
続いて朝食。夕食時は真っ暗で気にも留めませんでしたが、指原シャドウもかくやと思わせる輝きに満ちた空間。BGMは波と風、鳥と虫の鳴き声と雰囲気抜群。
朝食ながらコース仕立てでありかなりのボリュームがあります。フレッシュジュースで内臓を刺激してからお食事が始まりました。
サーモンのマリネ。トマトとモッツァレラチーズも添えられており、シンプルながらも高品質な一皿。ミニトマトを湯剥きしている拘りように舌を巻く。
ヴィシソワーズは雑味が無く、ジャガイモの甘味と旨味が上手に引き出されており、夏の朝食にピッタリの味覚。おかわりしたいくらい。
焼きたてのヴィエノワズリー(バターをたっぷり用いた菓子パン)。これまでひらまつ系のレストランで山ほどパンを食べてきましたが、ヴィエノワズリーは初めてです。クロワッサンなどバターの風味がきいて堂に入った味覚。ちなみにホテル内には養蜂場もあり、そこで採れたハチミツをたっぷり塗って食べることができます。
ラタトゥイユとペンネ。これはまあ、普通です。無くても良かった。
エッグベネディクトの卵はもちろん地元産。ソーセージはアグー豚と地産地消の1皿であり、それぞれの風味が濃厚で心に残った1皿でした。
ヨーグルトにはやはり地元のマンゴー。グラノーラもロカールのものであり、何から何まで手作り感のある素晴らしい朝食でした。
夕食はフレンチ、朝食は洋風ですが、連泊した場合の夕食はイタリアン、朝食は和食へと変化を遂げるようです。同じひらまつ系の和の旗艦店、京都「十牛庵」との合作であり、このあたり大企業の強みなのでしょう。
沖縄でもトップクラスに素晴らしいリゾートでした。沖縄本島の超高級ホテルと言えば、「百名伽藍」「オリエンタルヒルズ」「リッツカールトン」などが挙げられますが、それぞれ細かなケチの付け所があり帯に短し襷に長し(「百名伽藍」はプールが無い、「オリエンタルヒルズ」はビーチが無い、「リッツカールトン」は客室数が多く騒がしい)。しかしながら当館は欠点が何一つなくおよそ不満を覚えることが1秒もありませんでした。
そういった無謬性はおよそミスというものに無縁の「レストランひらまつ」のサービスレベルに由来するものなのでしょう。自信をもって人に勧められるリゾートです。次回は絶対に2連泊してイタリアンも和食も楽しんじゃうんだからね。
関連記事
ホテルでの食事は割高ではあるのですが、サービスも味も大きく外すことは無いので安定枠として確保しています。その中でも私のお気に入りは下記の通り。
- ザ・レストラン by アマン/大手町 ←全てが開放的で健康的
- KASA(カサ・プルマン東京)/田町 ←専業主婦のたまり場
- ニューヨーク・グリル(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←食べ放題なのに食べ放題クオリティではない
- ジランドール(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←ランチステーキがお得
- ピークラウンジ(パークハイアット東京)/新宿 ←21時までであれば6,000円チョイで飲み放題という大盤振る舞い
- キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ/都庁前 ←滞在時間4時間。泥酔。
- アジュール フォーティーファイブ(リッツカールトン東京)/六本木 ←ドレスコードを守る価値がある。
- モダンビストロ タワーズ(ザ・リッツ・カールトン東京)/六本木 ←リッツというブランドと雰囲気を食べる店
- ザ・ロビーラウンジ&バー(ザ・リッツ・カールトン東京 )/六本木 ←「WOWバーガー」13,000円(税サ別)
- レストラン・ブリーズ・ヴェール ←天空のレストラン。ランチの危ない開放感。
- ステラガーデン/芝公園 ←東京タワーが0時に消灯する理由
- ケシキ(K’shiki・マンダリンオリエンタル東京)/三越前 ←抜群の眺望を誇り、床から天井まで一面の大きな窓から息をのむような東京の絶景
- シグネチャー/三越前 ←絶対に外さない、非の打ち所の無いレストラン
- あらし山吉兆/洞爺湖 ←吉兆の技術と北海道の素材が調和。
- レ セゾン/日比谷 ←ジビエジビエジビエ!
- ラベ/西梅田 ←クラシックなフレンチ、正統派
ホテル業界の神と随一のマーケターの共著。サービスする側/される側の両視点があり、「ホテルマンが感動するお客さま」「少しでもお得に、上質な部屋に泊まる方法」などの話題も興味深いです。
ザ ヒラマツ ホテルズ&リゾーツ 宜野座
関連ランキング:その他 | 宜野座村