シャンパン・バー(The Champagne Bar)/溜池山王

振り返るレベルの美女との約束を守り、インターコンチを挟みます。我々の間で「インターコンチ」とは「溜池山王のインターコンチ内にあるシャンパンバーの飲み放題で記憶を失うまで泡を飲もう」の意。「あれ?こんな店だっけ?」と眉をひそめる彼女。確かに軒先に謎のパンダと流行の元号っぽい感じが並んでいます。
入店すると以前よりも照明が明るくなった印象。加えて飲み放題プランの料金は食事付きで6,900円と、格安を通り越して慈善事業レベル。それなのにこの空きっぷり。みんなビアガーデンでぬるい発泡酒なんか飲まないで、こっちに来ればいいのに。
本日の飲み放題の対象はコチラの2本。サービスの中国人(たぶん偉い)が相当にテンションが高く、魅力的なエンターテイナーとして機能します。「どちらが糖度が高く感じますか?」との問いかけに対し、もし外したら死ぬほど恥ずかしいから聞かないでくださいよ、と受け流したつもりなのですが、「いえ、これは遊びだから外したって構いません!なのでさあ!言って言って!」と猛烈に背中をプッシュしてきます。
何とか正解を答えることができたのですが、特に褒められることなく「で、どっちが好きでスか?」と話題が変わる。完全に彼にペースを握られています。ルノーブルのほうが好きですねえ、と答えると、合点承知の助とでも言いたげに大きく頷き、その後、他のスタッフがマムを注ごうとしようものなら、「こちらのお客様はルノーブルのほうが好きなんだ!マムはちょっとだけでいい!」と半笑いで叱責するのだから可笑しいことこの上ありません。
サラダは雑ですねえ。ファミレス級のクオリティであり、ぜんぜん美味しくありません。まあ、今夜はシャンパーニュを飲み放題に来たのであるから多くは望むまい。6,900円飲み放題プランとしてはこんなものでしょう。
おつまみセットが届きました。いずれもホテルビュッフェと変わらない味わいであり、6,900円飲み放題プランとしてはこんなものでしょう。
メインは魚か肉かをチョイスできるとのことだったので後者を。「それでいいです!ワタシも肉のほうが全然美味しいと思いまス!」と正直で陽気な中国人。彼の動く半径3メートルは明るさに包まれている。すごいなあ、海外で母国語じゃない言語を操ってゲストをこんなに楽しませるなんて。しかしながら当該ステーキはガストと変わらない味覚であり、まあ、6,900円飲み放題プランとしてはこんなものでしょう。
彼女と私のお酒の強さは全くの同等であるため(女性としては相当強い)、とても楽しく迅速に、しかし乱れることなく上品に酔っぱらうことができます。互いに囃し立てて一気飲みを促したりは一切せず、全てがセルフサービスで淡々とマイペースに飲み進めるのみ。〆はシャンパーニュとマンゴーのカクテルで肝臓に糖分を補給。
体内のアルコールメーターではシャンパーニュを1.5本程飲んだ感覚。上記の泡は市価で1本5,000円前後。知り合いのソムリエが昔々当館で働いていたことがあり、「あのシャンパーニュ飲み放題プランの値付けは絶対に間違っている」と断言していたので、やはりこのプランは泡好きに対する慈善事業なのでしょう。

毎年の初夏の記念碑的なデート。来年も彼女とお邪魔できると良いのだけれど。


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ホテルでの食事は割高ではあるのですが、サービスも味も大きく外すことは無いので安定枠として確保しています。その中でも私のお気に入りは下記の通り。

ホテル業界の神と随一のマーケターの共著。サービスする側/される側の両視点があり、「ホテルマンが感動するお客さま」「少しでもお得に、上質な部屋に泊まる方法」などの話題も興味深いです。

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